仕事が終わって、家に帰って、気づいたら袋のお菓子に手が伸びている。
「今日こそやめようと思っていたのに…」と、夜にひとりで落ち込んでしまう。
そんなときに
「あたりめなら太らないらしいよ」
という情報を目にすると、「それならいくらでも食べていいのかな?」と少し希望が湧きますよね。
管理栄養士としてお伝えしたいのは、あたりめは選び方次第でダイエットの強い味方になるおやつだということです。ただし、どんな食べ物にも「量」と「タイミング」のラインがあります。
この記事では、
- あたりめは1日どのくらいまでならOKか
- いつ食べれば太りにくいか
- 今日から真似できる“あたりめマイルール”の作り方
を、やさしく・具体的にお話しします。
読み終わるころには、あなたも自分なりの「あたりめダイエット安全ルール」を言葉にできるようになります。
あたりめダイエットが気になるのはどんなとき?【あなたの不安を整理】
仕事も家のことも頑張っている30代の女性が、体重の増加を意識し始めるきっかけの多くは、「間食が増えた実感」です。
- 「デスクに常にお菓子がある」
- 「夕方になると甘いものかしょっぱいものが欲しくなる」
- 「夜、子どもを寝かしつけたあとに“自分へのご褒美”でつい食べてしまう」
こうした日常の積み重ねで、気づいたら数キロ増えていた、という相談を本当にたくさん受けます。
そんな中で、あたりめは
- 「ポテチよりヘルシーそう」
- 「よく噛むから満腹になりそう」
- 「糖質が少なそう」
というイメージから、「罪悪感が少ないおやつ」として選ばれやすくなっています。
一方で、こんな不安や疑問も同時に生まれます。
- 「あたりめは、どれくらいなら毎日食べても大丈夫?」
- 「夜ごはんのあとに食べたら、やっぱり太る?」
- 「塩分やプリン体は気にしなくていいの?」
不安の正体を整理すると、主にこの3つに分かれます。
- 量がわからない不安
- 「1日1袋?ひとつかみ?グラム数でどれくらい?」が曖昧
- タイミングがわからない不安
- 「夜に食べるのはダメそうだけれど、じゃあいつならOKなのか」がわからない
- 健康リスクへの不安
- 「塩分」「プリン体」「高血圧や痛風への影響」がぼんやり怖い
この記事は、この3つの不安をひとつずつほどいて、
「あたりめをどれくらい・いつ食べれば、太りにくく、体にもやさしいか」という答えに、あなたを導くためのガイドです。
公的データで線を引く!あたりめの“安全ライン”は1日20〜30gまで
まず結論からお伝えすると、
多くの大人にとっての目安として、あたりめは「1日20〜30gまで」にしておくと安心です。
あたりめは「高たんぱく・低糖質」なおやつ
あたりめ(スルメ)は、一般的に
- たんぱく質が多い
- 糖質(炭水化物)がかなり少ない
という特徴があります。
ポテトチップスのようなスナック菓子と比べると、糖質の量はぐっと少なく、たんぱく質は多いおやつだと考えてよいです。
たんぱく質は、筋肉やホルモン、酵素の材料になる大切な栄養素です。
ダイエット中は、たんぱく質が不足すると筋肉量が落ちやすく、代謝も下がってしまいます。高たんぱく・低糖質なあたりめは、「間食でたんぱく質を足せる」という意味で、ダイエット向きのおやつ候補になります。
一方で、塩分には注意が必要
あたりめは、塩分(食塩相当量)をそれなりに含みます。
そのため、たくさん食べると
- むくみ
- 高血圧リスクの上昇
などが気になる人も出てきます。
ここで大事になるのが、1日の間食全体の「枠」です。
1日の間食は200kcalが目安
多くの公的な食事ガイドラインでは、
「1日の間食は約200kcal程度まで」がひとつの目安とされています。
この200kcalという「間食枠」の中に、あたりめをどれくらい入れるかを考えると、
あたりめ20〜30gくらいまでであれば、「他の飲み物やちょっとした甘いものも楽しめる余裕を残しつつ、バランスを取りやすい量」と言えます。
20〜30gって、どれくらいの量?
あたりめの20〜30gは、商品にもよりますが、
- 「小分け袋1つ分くらい」
- 「大きめのスルメなら1〜2枚程度」
- 「細切りタイプなら、細いひと束を軽く手に乗せたくらい」
をイメージすると近い量になります。
この記事ではあえて、「見た目の目安」も意識して、
「片手に軽くのるくらいのあたりめ(約20〜30g)」
を、1日の上限の目安としておすすめします。
【結論】: あたりめは「袋のまま」ではなく、「一度お皿に出して、片手に軽くのるくらい(約20〜30g)」に量を決めてから食べることをおすすめします。
なぜなら、多くの方が「ヘルシーなおやつだから大丈夫」と思って袋ごと食べ進めてしまい、気づいたときには200kcalを大きく超えてしまうケースがとても多いからです。一度お皿に出すだけで、食べる量を自然にセーブできるので、この小さなひと手間が、ダイエット成功の大きな助けになります。
インフォグラフィック指示:あたりめ“安全ライン”の見える化

今日からできる!あたりめダイエット“3つのマイルール”とNG例
「量」と「タイミング」のイメージがついたところで、
ここからは、今日から真似できる“あたりめマイルール”を3つご提案します。
マイルール1:1日20〜30gまで、1回10〜15gずつ
- 1回に食べる量は10〜15g程度
- 1日に食べる合計は20〜30gが上限
という2段階のルールにしておくと、とても管理しやすくなります。
- 昼間に10〜15gを一度
- 夕方〜夕食前に10〜15gをもう一度
といった形なら、小腹がすいたタイミングを2回カバーしつつ、総量もおさえられるからです。
マイルール2:食べるのは昼〜夕方、もしくは夕食前
体内には「BMAL1(ビーマルワン)」と呼ばれるたんぱく質があり、BMAL1が多い時間帯は、摂取したエネルギーが脂肪として蓄えられやすいと考えられています。
一般的に、BMAL1は夜〜深夜にかけて増えやすいとされています。そのため、
- あたりめを含めた間食は昼〜夕方に済ませる
- どうしても夜にお腹が空く場合は、夕食の20〜30分前に少量だけにする
という時間ルールを取り入れると、脂肪になりにくい時間帯を活用した食べ方に近づきます。
マイルール3:袋のまま食べない・ながら食べしない
袋のまま食べると、「気づいたら残りがほとんどない」という状況が本当に多いです。
また、スマホやテレビを見ながらの“ながら食べ”は、
- 満腹感を感じにくい
- 食べた量の記憶が曖昧になる
というダブルパンチになります。
- 必ずお皿に出す
- スマホや画面から目を離し、噛むことに意識を向ける
この2つを意識するだけで、あたりめの「よく噛むと満腹感が出やすい」という長所を、しっかり活かせます。
典型的なNGパターンと、修正アイデア
- NG例1:マヨネーズをたっぷりつけて食べる
- マヨネーズは脂質が多く、スプーン1杯でもかなりのカロリーがあります。
- 修正案: どうしても味を変えたい場合は、レモン汁や少量の七味、昆布茶の粉末などで風味をつける。
- NG例2:晩酌のおつまみとして、テレビを見ながらだらだら食べる
- アルコールと一緒に食べると、トータルカロリーが大幅に上がりやすくなります。
- 修正案: 晩酌をする日は、あたりめは昼〜夕方だけにするか、晩酌自体を週の中で「○日まで」と決める。
- NG例3:高血圧を指摘されているのに、毎日大量に食べている
- 塩分のとりすぎは血圧に影響する可能性があります。
- 修正案: 高血圧や腎臓病、痛風などを指摘されている場合は、あたりめの量と頻度について、主治医や栄養士に相談してください。
比較表:ポテチ1袋・板チョコ・あたりめ20gのイメージ比較
※数値はイメージしやすくするための概算です。正確な数値は商品パッケージを必ず確認してください。
| おやつ | おおよその量 | カロリーのイメージ | 糖質のイメージ | たんぱく質のイメージ | 噛む回数のイメージ |
|---|---|---|---|---|---|
| ポテトチップス1袋 | 60g前後 | 高い | 高い | 低い | 少ない |
| 板チョコ1枚 | 50〜60g前後 | 高い | 高い | やや低め | 少ない |
| あたりめ20g | 片手に軽くのる程度 | 中程度 | かなり低い | 高い | 多い |
このように、あたりめは
- 糖質がかなり少なく
- たんぱく質が多く
- 噛む回数が自然と多くなる
という点で、同じ「しょっぱい・食べごたえのあるおやつ」の中では、ダイエット向きの選択肢になりやすいと言えます。
よくある質問Q&A|妊娠中・持病がある人は?毎日食べて大丈夫?
最後に、外来やカウンセリングでよくいただく質問をQ&A形式でまとめます。
ここでお伝えする内容は、一般的な大人向けの情報です。
すでに病院で治療中の場合や、特別な指示を受けている場合は、必ず主治医の先生の指示を優先してください。
Q1. あたりめを毎日20〜30g食べても大丈夫?
一般的な健康な大人であれば、1日20〜30g程度のあたりめを、間食200kcalの範囲で食べることは、多くのケースで大きな問題になりにくいと考えられます。
ただし、1日の中で他の加工食品や外食からも塩分をとっているため、「あたりめだけなら大丈夫」と思って量を増やしすぎないことを意識してください。
Q2. 妊娠中や授乳中でも、あたりめを食べてよいですか?
妊娠中や授乳中でも、あたりめを少量の間食として取り入れる人はいます。
ただし、
- 塩分が多くなりすぎないか
- つわりや胃のムカつきが悪化しないか
など、体調との兼ね合いがとても大切です。
気になる場合は、妊婦健診の際に助産師さんや担当医に相談し、具体的な量の目安を決めてもらうと安心です。
Q3. 高血圧や腎臓病と診断されています。あたりめはやめるべきですか?
高血圧や腎臓病、心臓病などで、医師から塩分制限の指導を受けている場合、あたりめの塩分が負担になる可能性があります。
このような場合は、自己判断で毎日食べ続けるのではなく、主治医や病院の管理栄養士に「あたりめを食べてもよいか」「どのくらいまでならよいか」を直接相談してください。
Q4. 痛風が心配です。あたりめのプリン体は大丈夫?
痛風や高尿酸血症と関連する栄養素として「プリン体」があります。
あたりめには、他の魚介類同様に、プリン体が含まれています。
すでに痛風や高尿酸血症を指摘されている場合は、医師からの個別指導に従うことが大前提です。
一般論として、プリン体を多く含む食品の量や頻度を調整することが必要になるため、あたりめの扱いについても必ず医師に確認してください。
Q5. 子どもと一緒にあたりめを食べても大丈夫?
子どもにとっても、あたりめは「よく噛む練習」になりやすいおやつですが、
- 硬さによるのど詰まり
- 塩分のとりすぎ
には注意が必要です。
特に小さな子どもには、小さく切ってあげる・量をほんの少しにするなど、安全面を最優先に考えてください。
不安があれば、小児科の先生や保健師さんに相談すると安心です。
このQ&Aの情報は、一般的な栄養情報であり、個々の診断や治療を行うものではありません。すでに病気の治療中の方、薬を飲んでいる方、妊娠中・授乳中の方は、必ず主治医や専門家に個別に相談してください。
まとめ&今日から始める“あたりめマイルール”
最後に、この記事のポイントを整理します。
- あたりめは、高たんぱく・低糖質で、よく噛むことができるおやつです。
- 一方で、塩分やプリン体を含むため、量と頻度を決めることが大切です。
- 一般的な目安として、
- 1日のあたりめは20〜30gまで
- 食べるタイミングは昼〜夕方、もしくは夕食前
- 1日の間食全体で約200kcal以内
を意識すると、ダイエット中でも取り入れやすくなります。
そして、何よりお伝えしたいのは、
「おやつを完全にゼロにしなくても、選び方と食べ方を工夫すれば、体重との付き合い方は変えられる」
というメッセージです。
今日から1週間、こんな“あたりめマイルール”を試してみてください。
- 1日20〜30gまでを上限にする
- 食べるのは昼〜夕方、もしくは夕食前にする
- 袋から出してお皿に盛り、よく噛んで味わう
完璧を目指す必要はまったくありません。
まずは「ポテチ1回分を、あたりめに置き換えてみる」といった、小さな一歩からで十分です。
この小さな一歩が、数週間・数カ月後のあなたの体と心を、きっと軽くしてくれます。