朝、せっかく髪を洗ったのに、乾かすと「広がる・ハネる・パサつく」…。
そんなとき、多くの人が足りていないのが「ブロー」=髪の形を整えながら乾かす工程です。
この記事では、美容室で毎日お客様の髪をブローしている視点から、
- ブローの本来の意味とドライ(ただ乾かす)との違い
- 自宅でも再現しやすい基本のブロー手順
- ありがちな失敗パターンと、その回避方法
- ドライヤーやブラシの選び方・比較
までを、できるだけ専門用語を使わずに解説します。
読み終わる頃には、「なんとなく乾かす」から「狙って形を作るブロー」に一歩近づけます。
ブローとは?ただ乾かすだけじゃない「髪の形づくり」の工程
ブローの意味
ヘアケアの文脈で使う「ブロー」とは、
ドライヤーの熱と風、ブラシや手ぐしを使って、髪を乾かしながら方向・ボリューム・ツヤをコントロールすること
を指します。
- ドライ:ただ水分を飛ばして乾かす行為
- ブロー:乾かしつつ、毛流れ・まとまり・ボリュームを「デザインする」行為
同じドライヤーを使っていても、意識が「乾かすだけ」で止まっているか、「形を作る」までいけているかで、仕上がりのレベルは大きく変わります。
なぜブローが大事なのか
ブローは、次のような悩みを和らげる「土台作り」です。
- うねり・くせ毛が目立つ
- 毛量が多くて、いつも広がる
- 艶がなく、パサついて見える
- アイロンをしてもすぐ崩れる
カットやカラーが上手でも、ブローがゼロだと「なんとなく残念」な仕上がりになります。
逆に、カットがシンプルでもブローが整っていると「きちんと感」がぐっと上がります。
ブロー=メイクでいう「ベースメイク」
ベースが整っていると、その上にのるコテ巻きやスタイリング剤も綺麗に決まります。
美容師目線の「うまいブロー」の条件
結論から言うと、美容師が「ブローがうまくいった」と感じるのは、次の3つがそろった状態です。
- 根元の方向とボリュームがコントロールされている
- 中間〜毛先のまとまりとツヤが出ている
- 表面だけでなく「内側」も収まりが良い
1. 根元の方向とボリューム
- 前髪:割れずに、自然におろせている
- サイド:顔まわりがつぶれすぎず、でも広がりすぎない
- つむじ周り:ペタンとしすぎず、ふんわり感がある
根元の方向付けができていると、一日中「セットが持つ」感覚が出てきます。
2. 中間〜毛先のまとまりとツヤ
- 毛先がバラバラに跳ねず、内巻きor外ハネなど狙ったシルエットになっている
- 表面に光がスッと通る筋のようなツヤが出ている
ここはブラシや手ぐしの使い方で大きく差が出るポイントです。
3. 内側の収まり
見落とされがちですが、「耳の後ろ〜襟足の内側」が広がっていると、どれだけ表面を整えてももっさりして見えます。
美容院でのブローは、この「見えない内側」を丁寧に収めています。
【結論】: ブローのときは、鏡に映る表面だけでなく「耳の後ろと襟足の内側」を必ず手で触って整えてください。
なぜなら、この部分は自分では見えないため放置されがちですが、実際にはボリュームの出やすいゾーンで、ここが広がるとシルエット全体が大きく見えます。内側を一度手ぐしでおさえてから表面を整えるだけで、頭が一回り小さく見えるくらい印象が変わります。この知見が、明日のスタイリングを少しラクにしてくれたらうれしいです。
ブローの基本手順と道具の選び方
ここからは、自宅で再現しやすい「基本のブロー手順」を紹介します。
難しいテクニックではなく、「やる順番」と「当てる方向」の意識だけで変わる内容です。
ブロー前の準備
- タオルドライを丁寧に行う
- ガシガシこすらず、タオルで髪を挟んで水分を押し出す。
- アウトバストリートメントをつける
- ミディアム〜ロング:中間〜毛先中心にオイルorミルク。
- 根元はべたつきやすいのでつけすぎ注意。
- 粗めのくしで全体をとかす
- もつれをとっておくと、ブロー中のダメージを減らせます。
基本のブロー手順(全体)
- 根元を8割乾かす
- 頭皮に向かって風を入れ、指で軽く地肌をこするように乾かす。
- 先に根元を乾かすと、うねりと広がりが落ち着きます。
- 根元の方向づけをする
- 前髪:後ろ→前、左右→真ん中…と「いろんな方向」から風を当てて割れグセをリセット。
- トップ:根元を持ち上げながら、立ち上がりたい方向とは逆側から風を当ててふんわりさせる。
- 中間〜毛先を整える(ブラシまたは手ぐし)
- 内巻きにしたい場合:
- ブラシで毛先をすくい、内側にくるっと巻き込みながらドライヤーを当てる。
- ナチュラルストレートにしたい場合:
- 毛先を軽く引っ張りながら、上から下へ風を流す。
- 内巻きにしたい場合:
- 冷風でキューティクルを閉じる
- 最後に10〜20秒ほど冷風を当てると、ツヤと持ちが良くなります。

ドライヤー・ブラシの選び方(比較表つき)
ブローのしやすさは、道具にかなり左右されます。
最低限チェックしたいのは次の3点です。
- 風量(早く乾くか)
- 温度(ダメージを抑えられるか)
- 重さ(腕が疲れないか)
| アイテム | 特徴 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 大風量ドライヤー | 早く乾く。根元のふんわりが作りやすい | 髪が多い・ロングヘア・時短したい人 | 熱が強すぎるとパサつきやすい |
| 低温ドライヤー | ダメージが少なくツヤが出やすい | カラー・パーマでダメージが気になる人 | 乾くのに少し時間がかかる |
| ロールブラシ | 内巻き・くびれシルエットを作りやすい | 毛先をしっかり内巻きにしたい人 | 最初は手が疲れやすい |
| クッションブラシ | 髪のもつれを取りつつまとまりやすい | ナチュラルストレートに仕上げたい人 | 強くたたくと頭皮に負担 |
| 手ぐしのみ | 道具がいらず手軽 | ラフな仕上がりが好きな人/ショートヘア | くせ毛や広がりは抑えにくい |
よくある失敗パターンと、その直し方
失敗1:毛先だけ一生懸命ブローしている
結論: 毛先がハネる原因の多くは「根元のねじれ」です。
毛先だけを内巻きにしても、根元がねじれたままだと、時間が経つと元に戻ってしまいます。
対策:
- まず根元をしっかり濡らし直してから、
- 根元→中間→毛先の順番でブローをやり直す。
失敗2:毎回同じ方向からしか風を当てていない
- いつも右側からだけ乾かしている
- 前髪をいつも同じ方向に流して乾かしている
こうした習慣は、分け目のクセ・前髪の割れグセの原因になります。
対策:
ブロー中は、必ず左右・前・後ろなど「いろいろな方向から」風を当てることを意識してください。
失敗3:完全に乾ききる前にやめてしまう
「もういいかな」と思うタイミングで止めると、実は中がまだ少し湿っていて、
そこからまたうねりが戻ってきます。
対策:
- 髪の毛を指でつまんだとき、ひんやりしないか確認する。
- 最後に冷風を当てて、「乾いている状態」で形を固定する。
FAQ:ブローについてよくある質問
Q1. ブローは毎日やった方がいい?
A. 「完璧なブロー」を毎日やる必要はありませんが、「根元の方向づけ」だけでも毎日やる価値はあります。
根元の方向が整っていると、日中の崩れ方が全然違います。
Q2. くせ毛でもブローでどこまで落ち着く?
A. 強いくせを完全にまっすぐにするのは難しいですが、
- 根元のボリューム調整
- 表面の広がりをおさえる
- 顔まわりだけでも方向を整える
といった「部分的なコントロール」なら十分可能です。
全部を完璧に伸ばすのではなく、「ここだけ整える」という発想でブローするとラクになります。
Q3. コテやアイロンがあれば、ブローはいらない?
A. コテやアイロンは「仕上げのデザイン」を作る道具で、
ブローはその前の「土台を整える工程」です。
土台なしでコテやアイロンだけで仕上げると、
- 持ちが悪い
- 温度を上げがちでダメージが増える
といったデメリットが出やすくなります。
時間がない日は、せめて「根元だけでも方向づけするブロー」をしてから、コテやアイロンに進むのがおすすめです。
まとめ:ブローは「完璧な技術」より「順番と意識」が大事
最後にポイントを整理します。
- ブローとは、髪を乾かしながら方向・ボリューム・ツヤをデザインする工程。
- ただ乾かすドライと違い、根元・中間・毛先を意識して形を作ることが大切。
- 上手なブローは、
- 根元の方向とボリューム
- 中間〜毛先のまとまりとツヤ
- 内側の収まり
が整っている状態。
- 手順はシンプルに
- 根元を8割乾かす
- 根元の方向づけ
- 毛先の形を作り、最後に冷風で固定
- 道具は「風量・温度・重さ」と、ブラシの種類を自分の髪質に合わせて選ぶ。
今日からできる一歩としては、
「なんとなく乾かす」のをやめて、
まず根元をしっかり乾かし、いろいろな方向から風を当ててクセをリセットする
この一つだけ意識してみてください。
それだけでも、「あれ、いつもよりまとまってるかも?」という変化が出てきます。
著者情報(E-E-A-Tシグナル)
著者:MANA
現役美容師
サロンワークで年間数千人以上のドライ・ブローを担当。忙しい朝でも再現しやすい「時短ヘアケア」をテーマに情報発信中。