「微熱だけど、明日は大事な商談…。こんな時、上司になんて連絡すれば『大げさだ』と思われないだろう…」
今、まさにスマートフォンの画面を前に、そんな不安で指が止まってしまっているのではないでしょうか。
こんにちは、コミュニケーション講師の佐々木です。かつての僕もそうでしたが、真面目で責任感の強い人ほど「休むこと」に罪悪感を抱きがちです。
でも、安心してください。その伝え方、実はあなたの評価を上げる絶好のチャンスです。
この記事では、単なる言葉の意味ではなく、上司の信頼を勝ち取るための「戦略的なコミュニケーション術」を、具体的な例文と共にお伝えします。読了後には、あなたのその罪悪感が自信に変わり、迷わず上司に連絡できるようになっているはずです。
[著者情報]
この記事を書いた人:佐々木 圭介(ささき けいすけ)
元大手人材会社トップセールス / 企業向けコミュニケーション研修 講師
営業心理学とビジネスマナーを専門とし、これまでに3,000人以上の若手ビジネスパーソンの成長を支援。自身の経験から、多くの真面目な若手が「伝え方」で損をしている現状を目の当たりにし、独立。現在は研修やコンサルティングを通じて、「評価される」「信頼される」コミュニケーション術を教えている。
なぜ、あなたの「大事をとって」は上司に響かないのか?若手が陥る3つの罠
研修で多くの若手から「上司にどう思われるかが不安です」という相談を受けますが、その不安の多くは、無意識のうちに「信頼を損ねる伝え方」をしてしまっていることが原因です。
あなたも、こんな連絡をしていませんか?
- ①理由が曖昧な「ごめんなさい」連絡
【NG例文】
「すみません、本日体調不良のため、大事をとってお休みさせていただきます。ご迷惑をおかけし申し訳ありません。」一見丁寧ですが、これでは「なぜ休むのか」という背景が全く伝わりません。上司からすれば、状況が分からず、心配するべきか、業務の調整をどうすべきか判断に困ってしまいます。
- ②謝罪が過剰な「自信なさげ」連絡
【NG例文】
「本当に申し訳ありません…。熱は微熱なのですが、大事をとらせていただいてもよろしいでしょうか…。本当にすみません。」過度な謝罪は、かえって「休むことに自信がない」「うしろめたいことがあるのでは?」という印象を与えかねません。あなたの慎重な判断が、ただの自信のなさと受け取られてしまうのは、非常にもったいないことです。
- ③自分の都合だけの「配慮不足」連絡
【NG例文】
「おはようございます。今日、大事をとって休みます。何かあれば携帯に連絡ください。」これでは、業務への影響や引き継ぎについて全く配慮ができていません。チームで仕事をしている以上、自分の状況報告だけでなく、業務への影響を最小限に抑える姿勢を示すことが、社会人としての責任です。
これらの伝え方は、あなたの真面目さや責任感とは裏腹に、上司との間に誤解を生んでしまう典型的な失敗パターンなのです。
「大事をとって」を評価に変える、たった1つの思考法
では、どうすれば良いのでしょうか。
答えは、「大事をとって」という言葉を、「未来への投資」であり「リスク管理」の意思表示として使うことです。
あなたの休みは「未来の成果を守るための戦略的判断」です。その意識を持って連絡してください。
なぜなら、この点は多くの人が見落としがちで、ただ「休むこと」に罪悪感を抱いてしまうからです。私自身、マネージャー時代に「明日のプレゼンのために、今日は休ませてください」と部下から連絡を受けた時、彼のプロ意識の高さに感心した経験があります。この思考の転換が、あなたの不安を自信に変えるのです。
適切な欠勤連絡は、上司との信頼関係を強化する絶好の機会です。なぜなら、「大事をとって」という言葉は、あなたが目先の自分のことだけでなく、チームやプロジェクトの未来に起こりうるリスクを管理できる人材だと示す、強力なサインになるからです。
これは、ビジネスの基本である報連相の中でも、特にあなたの評価を高める「報連相」と言えるでしょう。

コピペでOK!状況別・上司に「こいつは違う」と思わせるチャット例文3選
ここからは、あなたの機能的ゴールである「文面作成」を達成するために、すぐに使える具体的なチャット例文を3つの状況別にご紹介します。各例文の「佐々木’s Point!」で、なぜその表現が有効なのかという理由も理解しておきましょう。
**1.【基本形】微熱があり、翌日に重要業務がある場合**
**【例文】**
おはようございます。〇〇です。
今朝検温したところ37.2℃の微熱があり、喉に少し痛みがあります。
明日の〇〇社との重要な商談に万全の体調で臨みたいため、大変恐縮ですが、本日は**大事をとり**、お休みをいただけないでしょうか。
本日対応予定だったタスクは、△△さんに引き継ぎ済みです。急ぎの要件がありましたら、チャットにてご連絡いただけますと幸いです。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
**佐々木’s Point!**
これが、まさに木下さんのような状況で100点満点の回答です。「なぜ休むのか(=明日の商談のため)」という**目的**と、「業務への配慮(=引き継ぎ済み)」が明確なため、上司はあなたの**プロフェッショナリズム**を高く評価し、安心して承認できます。
**2.【相談形】出社すべきか判断に迷う場合**
**【例文】**
おはようございます。〇〇です。
少し頭痛があり、体調が万全ではありません。出社は可能なのですが、もしご迷惑でなければ、午後のパフォーマンスを考慮し、**大事をとって**午前中だけ在宅勤務に切り替えさせていただくことは可能でしょうか。
もちろん、出社が必要であればすぐに準備いたします。ご判断いただけますと幸いです。
**佐々木’s Point!**
自分の判断だけでなく、「ご相談」という形で上司に判断を委ねることで、謙虚さと共に、業務への意欲も示すことができます。一方的な要求ではなく、**上司**を意思決定に巻き込む、高度な**報連相**のテクニックです。
**3.【感謝形】予定変更を伴う場合**
**【例文】**
〇〇部長
お疲れ様です。〇〇です。
大変申し訳ありません。本日15時から予定しておりました定例ですが、昨夜から少し体調が優れず、**大事をとって**本日は休養に専念させていただきたく、日程の再調整をお願いできませんでしょうか。
直前のご連絡となり、ご迷惑をおかけしますことを心よりお詫び申し上げます。調整いただいたこと、心より感謝いたします。
**佐々木’s Point!**
相手の時間を奪うことに対して、具体的な感謝の言葉を添えることが重要です。「調整ありがとうございます」という一言が、あなたの誠実さを示し、円滑な人間関係を維持します。**信頼関係**は、こうした細やかな配慮の積み重ねで築かれます。
もう迷わない。「大事をとって」に関するQ&A
最後に、読者の皆さんが抱くであろう残りの細かい疑問に、アドバイザーとして誠実にお答えします。
Q1. 「念のため」と「大事をとって」はどう使い分ければいいですか?
A1. どちらも慎重な行動を示す言葉ですが、「大事をとって」の方が、より「重大な結果を避ける」というニュアンスが強いです。
- 念のため: 比較的軽い確認や予防。「念のため、資料を再確認します」
- 大事をとって: 健康や重要なプロジェクトなど、失敗が許されない状況。「大事をとって、病院に行きます」
あなたの状況のように、重要な商談を控えている場合は、「大事をとって」がより適切で、あなたの真剣さが伝わります。
Q2. 「大事をとって」を使いすぎると、しつこいと思われますか?
A2. はい、その可能性があります。多用すると「心配性な人」「大げさな人」という印象を与えかねません。本当に重要な局面、特に「健康」や「大きなプロジェクトの納期」など、客観的に見ても慎重になるべき場面に限定して使うのが効果的です。
Q3. 連絡は電話とチャット、どちらが良いですか?
A3. 会社の文化や緊急度によりますが、まずはチャットやメールで連絡するのが一般的です。記録に残り、上司も自分のタイミングで確認できるからです。ただし、緊急の引き継ぎ事項がある場合や、上司がチャットを頻繁に確認しないタイプの場合は、チャットで一報を入れた後に電話で簡潔に伝えるのが最も丁寧でしょう。
まとめ:あなたの判断は正しい。自信を持って、未来に備えよう。
この記事でお伝えしてきた要点を、最後にもう一度確認しましょう。
- NGな伝え方: 理由が曖昧、謝罪が過剰、配慮不足な連絡は、あなたの評価を下げてしまう。
- 思考の転換: 「休むこと」は罪悪感ではなく、「未来の成果への投資」であり「リスク管理」である。
- 評価される伝え方: 「なぜ休むのか」という目的と、「業務への配慮」をセットで伝えることが最も重要。
あなたのその慎重な判断は、あなた自身とチームを未来のリスクから守る、プロフェッショナルとして極めて正しい行動です。
明日、最高のパフォーマンスを発揮するために、今日あなたがすべきことは、この記事の例文を参考に上司に連絡し、安心して休むことです。
自信を持って、まずはゆっくり休んでください。応援しています。
[参考文献リスト]