玄関ドアが「バタン!」と閉まる音、小さいお子さんがいると本当にヒヤッとしますよね。元気なお子さんを持つお父さんなら、一度はヒヤッとした経験があるのではないでしょうか。
ご安心ください。その問題、業者を呼ばなくても、ご家庭のドライバー1本で、たった10分で安全に解決できます。
この記事では、3,000件以上の住宅トラブルを解決してきた私が、絶対に失敗しないためのポイントに絞って、ドアクローザーの調整方法を徹底解説します。
読み終える頃には、不安なく作業を完了し、家族が安心して使える静かなドアを取り戻せます。
なぜこの調整が重要?「ドアの指挟み事故」から子どもを守るために知っておくべきこと
まず、なぜドアクローザーの調整がこれほど大切なのか、少しだけお話しさせてください。実は、専門家として最も頻繁に受ける相談の一つが、このドアの速度に関する問題なんです。「うちの子が指を挟みそうで怖くて…」という切実な声も少なくありません。
その心配は、決して考えすぎではないのです。
国民生活センターの報告によれば、ドアでの指挟みなど、0歳から5歳までの子供に関連する事故が約6年間で341件も報告されています。特に1歳児の事故が最も多いという事実は、家庭内の安全対策の重要性を示しています。
ドアクローザーの速度を正しく調整することは、こうした危険からお子さんを守るための、最も効果的で具体的な安全対策の一つなのです。これから行う作業は、単なるメンテナンスではなく、指挟み防止という大切な目的を持った家族のためのDIYです。
プロが教える!安全なドアクローザー調整の全ステップ
お待たせしました。ここからは、実際にドアクローザーの調整手順を解説していきます。プロが現場でやっているのと同じ安全な方法を、見ていきましょう。
ステップ1:準備編 – 用意するのは「プラスドライバー1本」だけ
まず、道具の準備です。
今回、調整弁を回すために使う道具は、ご家庭にあるプラスドライバー1本だけです。特別な工具は必要ありませんので、ご安心ください。
ステップ2:構造理解編 – どこを回す?調整弁の役割を知ろう
次に、ドアクローザーの構造を簡単に理解しておきましょう。ドアクローザーは、ドアが閉まる速度を油圧でコントロールしている装置です。そして、ドアクローザーの速度を制御する心臓部が、本体の側面にある調整弁というネジになります。
調整弁は通常2つあり、それぞれがドアの閉まる速度の異なる区間を担当しています。

ステップ3:実践編 – 「時計回りに、少しずつ」が合言葉
構造を理解したら、いよいよ調整です。調整弁を回す(手段)ことで、速度調整(目的)を実現します。ここでの最重要ルールは「時計回りで遅く」「45度ずつ回して確認」の2つです。
① 第1速調整弁の調整(全体のスピード)
- まず、ドアが閉まり始める時の速度を調整する「第1速調整弁」を、プラスドライバーで時計回りに回します。
- この時、一気に回さず、45度(時計の針で1.5分ほど)だけ回してください。
- 一度ドアを大きく開け、閉まる速度がどう変わったかを確認します。
- まだ速いようであれば、再度「45度回して、確認」を繰り返します。
② 第2速調整弁の調整(閉まる直前のスピード)
- 全体のスピードが良くなったら、次にドアが閉まる直前の速度を調整する「第2速調整弁」を調整します。
- こちらも同様に、プラスドライバーで時計回りに、45度ずつ回しては確認を繰り返します。
- ドアが「バタン!」と閉まらず、静かに「カチャ」と閉まるようになれば調整は完了です。
【結論】: 調整弁は、絶対に反時計回りに回しすぎないでください。特に、本体の面からネジが飛び出すほど緩めるのは厳禁です。
なぜなら、この点は多くのDIY初心者が陥る最も危険な失敗だからです。調整弁を緩めすぎると、内部の油が漏れ出してしまい、ドアクローザーの油圧機能が失われます。一度油が漏れると修理は不可能で、本体ごと交換するしかなくなります。「速くしたい」場合でも、ほんの少しずつ緩めるようにしてください。
調整する前に絶対チェック!これって交換のサイン?「油漏れ」の見分け方
さて、ここまで調整方法を解説してきましたが、調整を始める前に、たった一つだけ確認してほしいことがあります。それは「油漏れ」の有無です。
もし、ドアクローザー本体から油が漏れている場合、速度調整の作業は絶対に行ってはいけません。なぜなら、油漏れはドアクローザーの寿命を知らせるサインであり、調整では直らないどころか、状態を悪化させる危険があるからです。
もし、ご自宅のドアクローザーが右側の「油漏れのサイン」に当てはまったら、残念ながら調整では直りません。その場合は作業を中止し、本体の交換を検討してください。
よくある質問(FAQ)
最後に、お客様からよくいただく質問にお答えします。
Q1: ドアを開けたまま固定する「ストップ機能」が効かなくなりました。これも調整できますか?
A1: はい、調整可能です。ストップ機能付きの機種の場合、ストップさせたい角度でドアを開き、アームにある調整ネジを締めることで再度機能させることができます。ただし、機種によって方法が異なるため、取扱説明書を確認するか、メーカーのウェブサイトを参照することをお勧めします。
Q2: 調整弁が固くて回りません。どうすればいいですか?
A2: 無理に回そうとすると、ネジ山が潰れてしまう(通称:なめる)可能性があります。まず、ネジの溝に合ったサイズのプラスドライバーを使っているか確認してください。それでも固い場合は、潤滑剤を少量スプレーして少し待ってから、再度試してみてください。それでも回らない場合は、専門業者に相談するのが安全です。
まとめ:今日からあなたも「お家のレスキュー隊」です
お疲れ様でした。最後に、今日の最重要ポイントを3つだけおさらいしましょう。
- まず油漏れをチェック: 作業前に油漏れがないか必ず確認してください。
- 回すのは時計回りに少しずつ: 調整弁は「時計回り=遅く」が基本。一気に回さず、45度ずつ慎重に。
- 必ず動かして確認: 少し調整したら、必ずドアを開閉して変化を確認する。
これだけです。
さあ、これであなたも立派な「お家のレスキュー隊」です。お子さんのための安全なドアを、ぜひその手で実現してください。応援しています!
もし油漏れがあって交換が必要な場合は、無理せずプロに相談しましょう。お近くの信頼できる業者を探せるサイトはこちらです。
(ここに専門業者検索サイトへのリンクなどを設置)
[参考文献リスト]
本記事の執筆にあたり、以下の情報を参考にしました。
- ドアクローザの速度調整方法 | ドアクローザ | RYOBIのドアクローザ・建築用品 – リョービ株式会社 (https://www.ryobi-group.co.jp/builder/knowledge/doorcloser/adjustment/01.html)