ビジネスメールで “hire” と “employ” のどちらを使うべきか、手が止まってしまう…。かつての私と同じ悩みを抱えるあなたのために、この記事を書きました。
結論から言います。“Hire” は「採用決定」という一点のアクションを、“Employ” は「雇用中」という継続的な状態を指します。
この記事では、この「アクション vs 状態」というネイティブの思考回路を、ビジネスシーン別の豊富な例文と共に解説します。読み終える頃には、もうこの2つの英単語で迷うことはなくなり、自信を持って英文メールを作成できるようになるでしょう。
なぜ私たちは “Hire” と “Employ” で混乱してしまうのか?
ビジネスメールで “I have been hired by this company for five years.” と書いて、ネイティブの同僚に少し不思議な顔をされた経験はありませんか?文法的には間違っていないのに、なぜか意図が正確に伝わらない。このモヤモヤ感こそが、多くの日本人学習者が抱える悩みです。
よく受ける質問に「辞書を引いても、どちらも『雇う』と書いてあって違いが分かりません」というものがあります。そのお気持ちは非常によく分かります。この問題の根源は、あなたの英語力不足にあるのではありません。問題の根源は、多くの辞書が伝えきれていない、英単語が持つ「コアイメージ」を掴めていない点にあるのです。
【結論】: 英単語の学習方法を「辞書の定義の丸暗記」から「単語のコアイメージを掴む」ことに切り替えてみてください。
なぜなら、私自身がそうでしたが、定義を覚えるだけでは応用が効かず、いざという時にどの単語を選べば良いか迷ってしまうからです。“hire” という単語が持つ「採用プロセスの一点」というイメージを一度掴んでしまえば、様々な文脈で自然な英語が使えるようになります。この知見が、あなたの英語学習の助けになれば幸いです。
結論:ネイティブの思考は『アクション vs 状態』で理解する
それでは、核心に入りましょう。英単語の “hire” と “employ” の関係性は、「アクション vs 状態」として理解するのが最も簡単で、応用が効きます。
- Hire (Action): 採用活動というプロセスを経て、「あなたに決めました」とオファーを出す一点の出来事、つまり『アクション』を指します。
- Employ (State): 採用が決まった後、その人が会社のために継続的に働き、給与を受け取っている継続的な期間、つまり『状態』を指します。
この関係性をタイムラインでイメージすると、より明確に理解できます。採用プロセスという線の上で、採用が決定した瞬間が “hire” という「点」。その日から続く雇用されている期間が “employ” という「線」なのです。
【シーン別】実践的な使い分けトレーニング
この『アクション vs 状態』の原則を理解すれば、具体的なビジネスコンテキスト (business context) の中で、どちらの単語がより適切かを判断できるようになります。
多くの人がやってしまいがちな失敗は、このコンテキストを無視して、日本語の「雇う」をそのまま直訳してしまうことです。ここでは、対照的な2つのビジネスシーン、「正社員」と「フリーランス」を例に挙げて、実践的な使い方を見ていきましょう。
企業が誰かを employ すると、その人は法的に employee (被雇用者) という身分になります。一方で、企業が特定の業務のために independent contractor (独立請負人) と契約する場合、一般的には hire という動詞が使われます。この違いが、単語の選択に直結するのです。
| シーン | 使うべき単語 | ⭕️ 自然な例文 (OK) | ❌ 不自然な例文 (NG) |
|---|---|---|---|
| 正社員を雇う場合 | Hire (アクション) Employ (状態) | We plan to hire five new sales staff this year. (今年は5名の新しい営業担当を採用する計画です) Our company employs over 200 people. | Our company hires over 200 people. (※「採用と解雇を繰り返している」ようなニュアンスに聞こえかねない) |
| フリーランスに依頼する場合 | Hire (アクション) | We decided to hire a freelance designer for this project. (このプロジェクトのためにフリーランスのデザイナーを雇うことにしました) | We will employ a freelance designer. (※継続的な主従関係を示唆するため、フリーランス相手には不自然) |
もう一歩先へ:関連表現とFAQ
Q1. “recruit” とは何が違うのですか?
A1. “recruit” は、候補者を探し、面接し、選考するといった「採用活動全体」を指す、より広い言葉です。”hire” はその採用活動の最終段階である「採用決定」というアクションを指します。つまり、「”recruit” 活動の結果、特定の人物を “hire” する」という関係性になります。
Q2. イギリスでは車を “hire” すると聞きました。
A2. その通りです。イギリス英語では、英単語の “hire” は、アメリカ英語の “rent” (賃借する) と同じ意味で、車や道具などを短期間「借りる」際にも使われます。しかし、人を「雇う」という意味での “hire” と “employ” の使い分けの原則は、イギリス英語でもアメリカ英語でも基本的に同じです。
まとめ:最強への道は、あなたのBOXの中に
“Hire” はアクション、”Employ” は状態。この原則さえ覚えておけば、もう迷うことはありません。
- 採用決定の瞬間を語るなら “hire”
- 雇用されている状態を語るなら “employ”
英単語のコアイメージを理解することは、あなたの英語をよりネイティブらしく、プロフェッショナルに進化させる強力な武器です。
今日学んだことを、早速次回の英文メールで意識して使ってみてください。その小さな一歩が、大きな自信に繋がります。