レポートやメール、ブログ本文を見返したときに、「また」が連続していて読みづらい…と気づいて焦った経験はありませんか。校正ツールで「同じ接続詞が多い」と出て、急に文章が下手に見えた気がして落ち込むこともありますよね。
結論から言うと、「また」は万能だからこそ、意味(役割)を分解して言い換えるのが最短ルートです。「追加」なのか「話題転換」なのか「繰り返し(再び)」なのかで、最適な代替語が変わります。
なお、「また」には複数の意味があることが国語辞典でも示されています。
まず押さえる:「また」の意味は3系統ある
「また」は大きく分けると、次の3つの働きで使われます(※ここを間違えると、言い換えが不自然になります)。
| 「また」の役割 | 伝えていること | 例(原文) |
|---|---|---|
| 追加(Aに足してBも) | 情報を積み上げる | また、料金は月額制です。 |
| 転換(補足・別件) | 話題を少し切り替える | また、営業時間は以下の通りです。 |
| 反復(再び) | 同じことがもう一度起きる | また連絡します。 |
【結論】言い換えは「用途別」に選ぶのが正解(早見表)
1) 「追加(Aに足してBも)」の言い換え
| 言い換え | ニュアンス | ビジネス適性 | 例文(置き換え後) |
|---|---|---|---|
| さらに | 追加の勢いが強い | ◎ | さらに、必要書類を添付します。 |
| 加えて | かため・論理的 | ◎ | 加えて、当日は本人確認が必要です。 |
| あわせて/併せて | セットで案内 | ◎ | 併せて、注意事項もご確認ください。 |
| その上 | 追加+評価(良い/悪い含む) | ◯ | その上、サポートも充実しています。 |
2) 「転換(補足・別件)」の言い換え
| 言い換え | ニュアンス | ビジネス適性 | 例文(置き換え後) |
|---|---|---|---|
| なお | 補足・注意の“付け足し” | ◎ | なお、受付は18時までです。 |
| ちなみに | 口語寄りの補足 | △(社外は注意) | ちなみに、最短で翌日発送です。 |
| 一方で | 対比の転換 | ◎ | 一方で、デメリットもあります。 |
| ここで | いったん整理・区切り | ◯ | ここで、手順を整理します。 |
3) 「反復(再び)」の言い換え
| 言い換え | ニュアンス | ビジネス適性 | 例文(置き換え後) |
|---|---|---|---|
| 再度 | かたい・正式 | ◎ | 再度ご連絡いたします。 |
| 改めて | 仕切り直して丁寧 | ◎ | 改めて日程をご案内します。 |
| もう一度 | やわらかい | ◯ | もう一度確認します。 |
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 「また」を消すことより、読者が迷わない接続に言い換える方が重要です。
なぜなら、「また」が続く文章は“情報の関係性”がぼやけやすく、読み手は「これは追加?補足?それとも話題転換?」と無意識に立ち止まります。言い換えで関係性(追加/注意/対比/反復)を明示すると、文章の説得力が一段上がります。
「また」が続く文章を、最短で直す編集テンプレ

置き換え判断はこの順番でOK
| チェック | YESなら | NOなら |
|---|---|---|
| BはAの“上乗せ情報”? | さらに/加えて/併せて | 次へ |
| Bは“注意・補足”の一言? | なお | 次へ |
| AとBは“反対の関係”? | 一方で/ただし | 次へ |
| 同じ行動を“もう一回”? | 再度/改めて | (それでも迷うなら)文を分ける |
ありがちな失敗パターン(不自然になりやすい例)
| 元の意図 | NGになりやすい置換 | なぜ違和感? | 代替案 |
|---|---|---|---|
| 補足(注意) | 「さらに、受付は18時まで」 | “上乗せ”っぽく聞こえる | なお、受付は18時まで |
| 対比 | 「また、デメリットもある」 | 追加に見えて“対立”が弱い | 一方で、デメリットもある |
| 反復 | 「ちなみに連絡します」 | 補足語で反復にならない | 改めて連絡します/再度連絡します |
| 接続語 | 主な役割 | 文章の印象 | 相性がいい場面 | 例 |
|---|---|---|---|---|
| また | 追加/補足/反復(多義) | 無難だが続くと単調 | 口調を崩さずつなぐ | また、資料を添付します。 |
| さらに | 追加(強め) | 勢い・説得力 | メリット追加、手順追加 | さらに、費用も抑えられます。 |
| 加えて | 追加(論理的) | かため | 報告書、提案書 | 加えて、根拠データを示します。 |
| なお | 補足・注意 | 事務的で明確 | 注意書き、条件 | なお、受付は18時までです。 |
| ちなみに | 補足(雑談寄り) | くだける | 社内・ブログ | ちなみに、私はこの方法が好きです。 |
| 一方で | 対比 | 冷静・客観 | メリデメ整理 | 一方で、手間は増えます。 |
よくある質問(FAQ)
Q. 「また」と「または」は同じ?
違います。「または」は**選択(A or B)**を示す語で、「追加」の「また」とは別物です。言い換え候補も「あるいは/もしくは」側になります。
Q. ビジネスメールで「ちなみに」は失礼?
失礼と断定はできませんが、社外・目上には“なお”の方が安全です。「ちなみに」は会話に近い温度感が出ます。
Q. 「また」が多いのは悪いこと?
悪いというより、読み手が関係性を取り違えやすいのが問題です。文化庁の公用文の考え方でも「読み手に理解される」「分かりやすく」といった観点が強調されています。
「追加なのか」「補足なのか」を接続語で示すだけで、文章はかなり読みやすくなります。
「また」を減らすコツは“意味の棚卸し”
「また」の言い換えは、語彙力勝負ではありません。
追加=さらに/加えて/併せて、補足=なお、反復=再度/改めてのように、意味で選べば自然に整います。
もし今すぐ整えたいなら、本文を見ながらこの順番だけでOKです。
| 目的 | 最優先の言い換え |
|---|---|
| 追加したい | さらに/加えて/併せて |
| 注意を足したい | なお |
| 対比したい | 一方で/ただし |
| もう一度の意味 | 再度/改めて |
[参考文献リスト]
- 「また」の語釈(国語辞典の引用を含む)— Domani(小学館)
- 「また」の意味(国語辞書参照ページ)— Bunpro(※参照元としてgoo辞書を案内)
- 公用文の分かりやすさ・読み手への配慮 — 文化審議会「公用文作成の考え方(建議)」