「フィリピン留学、安いけど実際どうなの?」…そんな期待と不安を抱えるあなたのための記事です。この記事は、元留学カウンセラーが業界の忖度なしで語る、フィリピン留学のリアルな現実ガイドです。読み終える頃には、巷のキラキラした情報に惑わされず、あなた自身で「賢い選択」をするための知識が身についているはずです。
この記事を書いた人
高橋 健太 (Takahashi Kenta)
元・大手留学エージェントのカウンセラー / 独立系留学コンサルタント大学卒業後、大手留学エージェントにてカウンセラーとして勤務。これまで500人以上のフィリピン留学をサポートしてきました。成功事例だけでなく、学校選びのミスマッチや現地でのトラブルといった数多くの事例に対応した経験から、特定の学校に忖度しない、中立的で正直な情報提供の重要性を痛感し独立。現在は、留学希望者が「本当に価値のある経験」を得るためのコンサルティングを提供しています。
なぜ今、フィリピン留学が注目されるの?その魅力と、あなたが抱える「3つの不安」
まず結論からお伝えすると、フィリピン留学は圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。欧米留学の半額以下で、しかもマンツーマンレッスンが中心という環境は、スピーキング力を短期集中で伸ばしたい人にとって、これ以上ないほど魅力的です。
カウンセラー時代、この魅力に惹かれて相談に来られる学生さんは後を絶ちませんでした。しかし、同時に皆さんがほぼ例外なく、心の奥で同じ種類の不安を抱えていることにも気づきました。
それは、次の3つの質問に集約されます。
- 「フィリピン人の英語って、訛りがひどくて変な癖がつきませんか?」
- 「授業料が安いのは嬉しいけど、講師や授業の質は本当に大丈夫なんですか?」
- 「正直、現地の治安が怖いです。女の子一人でも安全に生活できますか?」
これらの不安は、留学という大きな決断を前にして、当然抱くべき健全な疑問です。この記事では、こうしたあなたの不安に一つひとつ、正直に、そして具体的に答えていきます。
【結論】フィリピン英語の「訛り」は、初心者にとって”メリット”である理由
多くの方が心配されるフィリピン英語の「訛り」ですが、英語学習を始めたばかりの初心者にとっては、むしろ大きなメリットになり得ます。
なぜなら、フィリピン英語はアメリカ英語を基盤としているため、日本人にも馴染みやすい上に、ネイティブスピーカー特有の「聞き取りにくさ」が少ないからです。歴史的に約50年間アメリカの統治下にあったフィリピンでは、教育システムにアメリカ英語が深く根付いています。
ネイティブスピーカー、特にアメリカ英語話者は、単語と単語の音をつなげたり(リエゾン)、特定の音を省略したり(リダクション)して、非常に流暢に話します。これは初心者にとって大きな壁となりがちですが、フィリピンの講師が話す英語は、一語一語をはっきりと、丁寧に発音してくれる傾向があります。この「聞き取りやすさ」が、最初のインプットとリスニングの訓練において、絶大な効果を発揮するのです。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 「訛り」を恐れる必要はありません。それよりも、講師が正しい文法と豊富な語彙で教えてくれるかどうかに注目してください。
なぜなら、多くの学生さんが「訛り」を気にするあまり、最も重要な「論理的に話す力」を養う機会を見落としてしまいがちだからです。初心者の段階では、完璧な発音よりも、まずは自分の意見をシンプルな英語で組み立てる訓練が不可欠です。フィリピン留学のマンツーマンレッスンは、この訓練に最適な環境と言えます。
「安い=質が低い」は本当?失敗しない語学学校を見抜く”3つのチェックリスト”
「授業料が安いのは、講師の質が低いからでは?」という疑問は、核心を突いています。結論から言うと、残念ながら全ての語学学校の質が高いわけではなく、中には質の低い学校も存在するのが現実です。
私がカウンセラーだった頃、費用だけで学校を選んでしまい、「講師が毎回遅刻してくる」「テキストを読むだけで全然教えてくれない」といった不満を抱えて帰国した学生さんを何人も見てきました。このような失敗を避けるためには、あなた自身が「質の高い学校」を見抜く目を持つことが不可欠です。
そのための具体的なチェックリストを3つ紹介します。
- 講師の質を測る客観的な指標はありますか?
- 質の高い学校は、講師の採用基準を明確にしています。特に、英語教授法の国際資格である「TESOL」を保有する講師がどれだけ在籍しているかは、語学学校の教育の質を測る重要な品質指標となります。TESOLは、英語を母国語としない人々に英語を教える専門知識とスキルを証明するものです。
- カリキュラムはあなたの目的に合っていますか?
- 良い学校は、画一的なカリキュラムを押し付けるのではなく、生徒一人ひとりのレベルや目的に合わせて内容を柔軟に調整してくれます。ビジネス英語を学びたいのか、日常会話を学びたいのか、あなたのニーズに応えてくれる体制があるかを確認しましょう。
- 卒業生の客観的な口コミはありますか?
- エージェントや学校の公式サイトにある「お客様の声」だけでなく、SNSやブログなどで、より正直な第三者のレビューを探すことが重要です。良い点だけでなく、悪い点にも言及している情報こそ、信頼に値します。
| 観点 | ✅ 質の高い学校 | ⚠️ 注意が必要な学校 |
|---|---|---|
| 講師の質 | TESOL保有者が多く、定期的な研修制度がある | 採用基準が不明確で、講師の入れ替わりが激しい |
| カリキュラム | 個別カウンセリングがあり、レベルや目的に応じて柔軟に対応 | 全員が同じテキストを使い、マニュアル通りの授業しかしない |
| サポート体制 | 日本人スタッフが常駐し、学習面・生活面の相談に乗ってくれる | トラブルが起きても対応が遅く、スタッフが不在がち |
| 卒業生の評判 | 具体的な成功体験や、感謝の声が多い | 「安かったけど、それなりだった」という漠然とした感想が多い |
自分の身は自分で守る。外務省情報から学ぶ、セブ島での必須安全対策
最後に、最も重要な安全性についてです。フィリピンの治安に対する不安は、決して無視できません。しかし、正しい知識を持って、適切な対策を講じれば、危険を大幅に避けることは可能です。
ここで最も信頼すべき情報源は、日本の外務省が発表している「海外安全ホームページ」です。このサイトは、世界各国の危険度を客観的な情報に基づいて評価しています。
この情報によると、主要な留学先であるセブは、危険情報「レベル1:十分注意してください」に分類されています。これは、テロや紛争が頻発する「渡航中止勧告」の地域とは全く異なり、基本的な注意を払っていれば安全に滞在できるレベルであることを示しています。
ただし、「日本と同じ感覚」で生活してはいけません。外務省の情報は、セブのような「レベル1」の地域でも、スリ、置き引き、睡眠薬強盗といった一般犯罪は日常的に発生していると警告しています。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 「自分の荷物」と「知らない人からの飲食物」には、常に100%の注意を払ってください。
なぜなら、私が対応したトラブルのほとんどは、この2点に関する油断が原因だったからです。特に、フレンドリーに話しかけてきた相手から勧められた飲み物を口にして意識を失い、金品を盗まれる「睡眠薬強盗」は、日本人観光客や留学生が被害に遭いやすい典型的な手口です。この知見が、あなたの安全な留学生活を守る助けになれば幸いです。
具体的には、以下の対策を徹底してください。
- 貴重品は分散させる: パスポートや多額の現金は、ホテルのセーフティボックスや学校の寮の鍵付きの場所に保管する。
- バッグは体の前に抱える: 人混みを歩く際は、リュックサックやショルダーバッグを必ず体の前で持つ。
- スマートフォンを無防備に使わない: 歩きながらのスマートフォン操作は、ひったくりの格好の標的になります。
- 夜間の単独行動は避ける: 特に、暗い路地や馴染みのない場所へは絶対に一人で行かない。
- 知らない人からの申し出は断る: 親切を装って近づいてくる人には、常に警戒心を持つ。
まとめ:あなたの賢い選択が、最高の留学体験を作る
フィリピン留学は、決して単に「安いだけ」の選択肢ではありません。
この記事で解説したように、フィリピン英語の「訛り」は初心者にとって聞き取りやすいというメリットがあり、TESOL資格などを基準に質の高い語学学校を正しく選べば、マンツーマンレッスンという恵まれた環境で英語力を飛躍的に向上させることができます。そして、外務省の情報を基に安全対策を徹底すれば、リスクを最小限に抑えることも可能です。
漠然とした不安は、解消されたでしょうか。その不安が「学校選びでは、TESOL資格について質問してみよう」「現地では、夜一人で出歩かないようにしよう」といった、具体的なチェックポイントや対策に変わっていれば、これほど嬉しいことはありません。
あなたの留学が、費用を抑えつつ、最高の学習体験となる「賢い選択」になることを心から願っています。
次の一歩として、まずは複数の留学エージェントの話を聞いて、今日手に入れたチェックリストを遠慮なくぶつけてみてください。 エージェントの反応を見れば、その会社が本当にあなたのことを考えてくれているかどうかも、きっと見えてくるはずです。
参考文献リスト
- 外務省 海外安全ホームページ: https://www.anzen.mofa.go.jp/