先日、お店で食べた「せせり」、美味しかったですよね。プリプリでジューシーで、ついお箸が進んでしまう…。こんにちは!元焼き鳥職人で、現在は食材コーディネーターをしている坂本です。
実はあの美味しいせせり、ご家庭のフライパンで、驚くほど簡単に調理できるんです。この記事は、単に「せせりは首肉です」で終わる解説ではありません。「せせりって何?」から「私でも美味しくできた!」まで、料理初心者さんの不安を自信に変える、一番やさしい「せせり」の教科書です。
この記事を読み終える頃には、せせりの全てが分かり、今週末に作りたい絶品レシピが手に入りますよ。
この記事を書いた人
坂本 健一 (Sakamoto Kenichi)
食材コーディネーター / 元・焼き鳥職人
焼き鳥店で7年間修行を積んだ後、独立。現在は食品メーカーの商品開発コンサルティングや、料理教室で「おうちで楽しむ専門店の味」をテーマに講師を務める。皆さんと同じ「美味しいもの好き」です!料理は難しく考えず、気軽に楽しんでいきましょう!
まずは結論から。せせりの正体は「鶏の首肉」です
早速、一番の疑問にお答えしますね。せせりの正体は、鶏の「首肉(ネック)」です。
鶏が首をよく動かす様子は、想像しやすいのではないでしょうか。そのため、せせりとなる首の筋肉は非常によく引き締まっています。この筋肉の繊維が、あの独特なプリプリとした食感を生み出しているのです。
ちなみに「せせり」という少し変わった名前は、関西地方の方言が由来とされており、首の骨から肉を「せせり取る(ほじり取る)」という作業から名付けられました。
せせりは一羽の鶏からほんのわずかしか取れない希少な部位でもあります。だからこそ、あの特別な美味しさがあるんですね。

なぜこんなに美味しいの?「プリプリ食感」と「ジューシーな旨味」の秘密
「せせりって、なんであんなに美味しいんだろう?」と疑問に思いますよね。僕が焼き鳥職人時代、一番好きだったのがこのせせりでした。せせりの美味しさの秘密は、「引き締まった食感」と「豊かな旨味(ジューシーさ)」という、本来なら相反する二つの特徴が両立している点にあります。
- プリプリの食感: 前述の通り、よく動かす部位なので筋肉質で、身が引き締まっています。これがせせりの最大の特徴である、プリプリとした心地よい弾力のある食感を生み出します。
- ジューシーな旨味: 筋肉質なだけでなく、せせりは鶏肉の中でも脂を多く含んでいる部位です。この脂が焼くことで溶け出し、肉全体をコーティングするため、パサつかずにジューシーな旨味を閉じ込めてくれるのです。
もも肉のジューシーさとも、むね肉のさっぱり感とも違う、この絶妙なバランスこそが、せせり最大の魅力と言えるでしょう。
| 部位 | 食感 | 脂の量 | おすすめの調理法 |
|---|---|---|---|
| せせり | 非常に弾力がある (プリプリ) | 多い | 塩焼き、炒め物 |
| もも肉 | 柔らかく弾力がある | やや多い | 唐揚げ、照り焼き |
| むね肉 | 柔らかく、さっぱり | 少ない | 蒸し鶏、フライ |
【初心者さん必見】せせり料理、失敗しないたった2つのコツ
「でも、家で焼くとお店みたいにならないんじゃ…」と不安に思いますよね。大丈夫です。料理教室で僕がいつもお伝えしている、せせり料理で失敗しないコツはたった2つだけです。これさえ守れば、誰でも美味しく仕上げられます。
コツ1:調理前の簡単チェック(骨や軟骨)
市販のせせりはほとんど処理されていますが、まれに小さな骨や軟骨が残っていることがあります。この下処理を怠ると、食べた時の食感を損ねる失敗につながることがあるので、調理前に一度だけチェックしましょう。
やり方は簡単で、せせりを指で軽く触ってみて、硬い部分がないかを確認するだけです。もしあれば、包丁の先やキッチンバサミでその部分だけ取り除いてください。この一手間で、仕上がりの満足度が格段に上がります。
コツ2:とにかく「焼きすぎない」こと
【結論】: せせりを焼くときは、強めの中火で両面をサッと焼き色がつくまで焼けば十分です。
なぜなら、僕がこれまで見てきた家庭でのせせり調理の失敗で、最も多い原因が「加熱しすぎ」だからです。不安からつい長く焼いてしまうと、せっかくの脂が全て流れ出てしまい、肉が硬くパサパサになってしまいます。せせりのジューシーさを活かすには「少し早いかな?」くらいで火から上げる勇気が大切です。この知見が、あなたの成功の助けになれば幸いです。
フライパン5分で完成!元職人のおすすめ絶品せせりレシピ
お待たせしました!それでは、ご家庭ではフライパンを使って、せせりの魅力を最大限に引き出す最適な方法をご紹介します。僕が一番おすすめする、シンプルで失敗しない「絶品ネギ塩レモン炒め」です。
[写真指示: 完成した「絶品ネギ塩レモン炒め」が白いお皿に盛られ、パセリとカットレモンが添えられている写真]
【材料(1〜2人分)】
- せせり: 200g
- 長ネギ: 1/2本(みじん切り)
- ごま油: 大さじ1
- 鶏がらスープの素: 小さじ1
- レモン汁: 小さじ2
- 塩、黒こしょう: 少々
【作り方】
- 下準備: 長ネギをみじん切りにし、ボウルにごま油、鶏がらスープの素、レモン汁、塩、黒こしょうと混ぜ合わせて「ネギ塩だれ」を作っておきます。せせりは食べやすい大きさにカットしておきましょう。
- せせりを焼く: フライパンを中火で熱し、油はひかずにせせりを入れます。せせり自体の脂で十分です。両面にこんがりと焼き色がつくまで2〜3分焼きます。
- たれを絡める: フライパンの火を止めてから、作っておいた「ネギ塩だれ」を加え、全体に手早く絡めます。余熱で十分です。
- 完成: お皿に盛り付け、お好みでさらに黒こしょうを振ったら完成です!
せせりに関するQ&A
Q. せせりはどこで買えますか?
A. 以前は精肉専門店が中心でしたが、最近では多くのスーパーマーケットの鶏肉コーナーでも見かけるようになりました。「鶏ネック」や「首小肉」と表示されていることもあります。
Q. 保存方法は?
A. 冷蔵保存の場合は、購入後1〜2日以内に使い切るのがおすすめです。すぐに使わない場合は、1回分ずつラップに包んで冷凍用保存袋に入れれば、2〜3週間は美味しく保存できます。
まとめ:せせりを自信を持って楽しもう!
最後に、今日のポイントを振り返りましょう。
- せせりの正体は「鶏の首肉」で、プリプリ感とジューシーさが魅力。
- ご家庭ではフライパンでシンプルに焼くのが一番美味しい。
- 失敗しないコツは「簡単な下処理」と「焼きすぎない」ことだけ!
もう、せせりは難しい食材ではありません。この記事を読んだあなたは、自信を持ってせせりを美味しく調理できるはずです。
今週末は、ぜひスーパーでせせりを探して、「絶品ネギ塩レモン炒め」で最高の食卓を楽しんでみてください!
[参考文献リスト]参考文献