英作文やメールを書いていて、
「順番を言いたいのに than を打ってしまった」「then を入れたら文が変になった」——この手のミス、めちゃくちゃ起きます。
結論から言うと、then は “時間・順番・結果” の言葉です。比較の than とは役割がまったく違います。
then がややこしい理由
then は、1語なのに 複数の働きをします。
- 副詞:その時/その後/それなら(結果)
- 名詞っぽく:until then(その時まで)
- 形容詞っぽく:the then president(当時の大統領)
この「役割の切り替え」が、初見で混乱しやすいポイントです。
then の主要パターン3つ(ここだけ覚える)
1) 「その時」= at that time
過去のある時点を指します。
- I was living in Osaka then.(その頃、私は大阪に住んでいました)
辞書的にも「その時点」を指す用法が中心です。
2) 「次に/それから」= next / after that
手順・順番を言う then。
- First, open the file. Then, click “Save.”(まずファイルを開いて、次に保存をクリック)
「手順 then」は、英語の説明文で頻出です。
3) 「それなら/その場合」= in that case / as a result
条件→結論の then。口語でも書き言葉でも使います。
- If you’re free, then let’s meet today.(空いてるなら、じゃあ今日会おう)
この用法は「条件が成立したときの帰結」を強める働きがあります。
おまけ:形容詞の then(“当時の〜”)
ニュースや文章で見る the then + 名詞。
- the then president(当時の大統領)
辞書でも「当時の〜」の形容詞用法が説明されています。
表記の実例として、スタイルガイドでも “then-President” のような形が推奨されています。

than との違い(ここでミスが止まる)
than = 比較、then = 時間・順番・結果。
役割が違うので、迷ったら「比較しているか?」で判断します。
| 単語 | 役割 | 日本語の感覚 | 例文 | 典型ミス |
|---|---|---|---|---|
| then | 時間・順番・結果 | その時/それから/それなら | First A, then B. | 比較文に then を入れる |
| than | 比較 | 〜より | faster than before | 手順に than を入れる |
1秒で覚えるコツ
- then → n = next(次) で覚える(手順 then)
- than → a = comparison(比較) で覚える(比較 than)
(語呂合わせなので厳密ではないですが、実務ではこれで十分ミスが減ります)
【結論】: 迷ったら「比較してる?」を自問してください。比較なら than、それ以外(時間・順番・結果)なら then です。
なぜなら、学習者のミスの大半は「文の目的(比較か、手順か、条件か)」を確認せずに綴りだけで選んでしまうことが原因だからです。英文を声に出して「〜より」になっているかを確認するだけで、打ち間違いは一気に減ります。
よくある例文(間違い→正解)
- ✕ I am taller then you.
✓ I am taller than you.(比較) - ✕ First, heat the pan, than add oil.
✓ First, heat the pan, then add oil.(順番) - ✓ If that’s true, then we should stop.(条件→結論)
FAQ
Q1. 文頭の Then, は失礼?会話っぽい?
文頭の Then, は「じゃあ/それで」という 話のつなぎで、会話寄りになります。フォーマル文書で多用すると軽く見えることがあるので、必要なら Therefore / In that case などに置き換えると安全です。
Q2. until then はどういう意味?
「その時まで」。then が “その時点” を指すので、そのまま名詞っぽく扱われます。
Q3. the then president は必ず過去?
基本は「当時の〜」なので 過去の時点を指します。文章では “then-President” のようにハイフンでつなぐ表記もよく見ます。
まとめ(迷ったときの最終チェック)
- 比較(〜より) → than
- 時間・順番・結果 → then
- 形:the then + 名詞 = 当時の〜
[著者情報]
坂本(英文添削・学習設計)
- 企業メール/レポートの英文添削と、学習者向けの「ミスを減らす型」づくりが専門。
- スタンス:難しい文法用語よりも「判断基準を1つ」に絞って、最短で使える状態にする。