朝起きたらメダカの稚魚の食いつきが悪くて焦る。ブラインはまだ早い気がする。ゾウリムシを増やしたいのに、ボトルが白く濁って臭うだけで増えない——このパターン、かなり多いです。
先に結論だけ言うと、**ゾウリムシ培養が安定する条件は「種水 × 餌(=細菌のエサ)× 酸素 × 温度」**です。ここが揃うと、初心者でも再現できます。
[著者情報]
- 筆者: さとう(淡水ミクロ生物の飼育・培養を趣味と実益で10年)
- スタンス: 「最速で増やす」より「落とさず回し続ける」設計を優先。臭い・崩壊・白濁の原因を先回りして潰します。
まず結論|増える培養は「菌を育てて、ゾウリムシが食べる」構造
ゾウリムシは、いきなり“餌”を直接食べて増えるというより、培養液の中で増えた微生物(主に細菌など)を食べて増えます。だから「餌を入れたのに増えない」人は、だいたいこのどこかが欠けています。
- 種水(スターター):ゾウリムシそのものが入っている水
- 餌(菌のエサ):ワコモトや酵母など、まず細菌が増える材料
- 酸素:密閉すると崩れやすい(酸欠・腐敗方向に寄る)
- 温度:低すぎると増えない/高すぎると崩れやすい
とくに重要なのが**「フタを密閉しない」**。東邦大学の教材系ページでも、酸素のためにフタを完全密閉しない旨が明記されています。

用意するもの|いちばん簡単な「ペットボトル培養」セット
最小構成でOKです。
- 透明のペットボトル(500ml〜2L)または広口ボトル
- カルキのない水(ミネラルウォーター使用例もあり)
- 種水(ゾウリムシがいる水)
- 餌(菌のエサ):ワコモトなど(錠剤を使う簡易法が紹介されています)
- 同系の解説として、アクアリウム系の手順記事でも餌の入れ方・管理の考え方がまとまっています。
手順|失敗しにくい「ワコモト(錠剤)×ペットボトル」培養
ここは結論ファーストで、手順をそのまま真似してください。
手順(基本)
- ペットボトルに水を入れる
- ワコモト錠剤を入れる(「少量」を基本にする)
- 種水を入れる
- フタを完全に締め切らない(酸素を確保)
- 15〜25℃くらいを目安に置く
- 変化を観察:表面に膜が出る/水の見え方が変わる、などの目安が紹介されています
- 増えてきたら収穫へ
東邦大学のページでは「光は必須ではない」趣旨や、増えるまでの時間感(目安)が触れられており、**“置き場所を迷ってグラグラする”**のを止められます。
収穫と給餌|稚魚にあげる時に「失敗しない」取り方
収穫のコツ(安全側)
- 底の沈殿(残渣)を一緒に吸わない
- 上澄み寄りの層から少しずつ取る(濁り・臭いが強い層は避ける)
- いきなり大量投入より、少量→様子見(水質変化を避ける)
【結論】: 「上澄みだけ少量」がいちばん安全です。
なぜなら、培養が崩れかけているボトルほど底の残渣が多く、稚魚水槽に入れると水が急に悪化しやすいからです。ゾウリムシの量を増やしたい気持ちほど、投入は小分けが勝ちます。
増えない・臭い・白濁…原因はだいたい3つ
1)餌の入れすぎ(崩壊コース)
「増やしたい」ほど餌を足す → 白濁・臭い → 全滅、が王道です。
餌は“ゾウリムシの餌”というより“菌のエサ”なので、入れすぎると菌が暴れて崩れやすくなります(酸素不足にも寄ります)。
2)密閉しすぎ(酸欠コース)
フタをきっちり締めると、失敗率が上がります。酸素確保のため密閉しない方針が紹介されています。
3)温度がズレる(停滞 or 崩壊コース)
東邦大学の目安として**15〜25℃**が示されています。
低温だと増えが鈍り、高温だと一気に崩れやすくなります。
落とさず回す「2本ローテ」が最強
単発で成功させるより、**“途切れない仕組み”**にしたほうが稚魚飼育がラクになります。
📊 比較表
表タイトル: ゾウリムシ培養:おすすめローテ(初心者向け)
| 目的 | 本数 | 運用 | メリット | デメリット | |—|—:|—|—|—| | とにかく切らさない | 2本 | 片方を育成、片方を収穫 | 崩壊しても保険がある | 置き場所が少し増える | | 早めに増やしたい | 3本 | 毎週1本ずつ立ち上げ | 供給が安定しやすい | 管理が少し手間 | | お試し | 1本 | まず成功体験 | 最小コスト | 崩壊=ゼロ |
東邦大学のページでも、継ぎ足し・更新の考え方(新しいボトルへ移す運用)が触れられていて、ローテ運用と相性が良いです。
FAQ(よくある疑問)
Q1. 光(窓辺)は必要?
必須ではない、という趣旨が紹介されています。
直射日光で温度が跳ねる方が事故りやすいので、まずは温度優先で。
Q2. どれくらいで増える?
増え方は「種水の濃さ」「餌の量」「温度」で変わります。目安の時間感は紹介がありますが、焦って餌を足しすぎるのが最大の失敗要因になりがちです。
Q3. 種水はどれくらい入れる?
「確実に入れる」ほど立ち上がりが早いです。最初はケチらず、安定したらローテで少しずつ節約するのが現実的です。
まとめ|ゾウリムシ培養は「足し算」じゃなく「条件設計」
- 成功条件は 種水 × 餌(菌のエサ)× 酸素 × 温度
- 密閉しない(酸素)と 15〜25℃(温度)をまず守る
- 失敗を減らすなら、2本ローテで「保険」を作る
「稚魚が食べない日がある」だけで気持ちがザワつくので、**培養を“仕組み化”**して、心の余裕を取りにいきましょう。