※この記事は『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』原作18〜20巻の重大なネタバレを含みます。
リューの告白、「結局どうなったの?」というモヤモヤから出発しよう
リューの告白まわりって、「え、今ので終わり?」と感じた人が多いはずです。
派閥大戦のど真ん中でベルに想いを伝えて、配信でオラリオ中にバレて、20巻のキッチンで意味深に“返事未遂”を止める。イベントとしては派手なのに、恋愛としての決着がふわっとしているように見えるからです。
この記事では、そんなモヤモヤをまるっとほどきます。
- 18〜20巻で、リューとベルのあいだに何が起きたのかを時系列で整理する
- リューとベル、それぞれの心理の変化を追いかける
- 最後に、「リューの告白は物語の中でどんな意味を持っているのか?」を、“大人の片想い”という視点から読み解く
読み終わるころには、こんなことができるようになるはずです。
- 「18巻でこういう告白があって、19巻でこうなって、20巻でこう終わったよ」と他人に説明できる
- 「リューが“答えを聞かない”と決めた理由」を、自分の言葉で語れる
- 「この流れを知ったうえで、もう一回18〜20巻を読み返したくなる」
そんなゴールを目指して、一緒に整理していきましょう。
「リューの告白、結局どうなったの?」というモヤモヤをまず整理しよう
よくある混乱ポイントを言語化する
最初に、ダンまち読者がリューの告白についてよく抱きがちなモヤモヤを並べてみます。
- 告白したのが何巻のどのあたりだったかがうろ覚え
- 告白に対してベルがハッキリ返事をした記憶がない
- 19〜20巻のどこまでが「告白の続き」で、どこからが「別の話」なのかがごちゃごちゃしている
- 20巻のキッチンシーンで、「これは失恋なのか、それとも保留なのか」が分かりづらい
このあたりの混乱は、18〜20巻がバトルと感情のクライマックスを同時に走らせていることが原因です。派閥大戦とオッタル戦の熱量がとにかく高いので、1回読みだとどうしても戦闘の印象が強くなり、感情面の細かい積み重ねが記憶からこぼれ落ちやすい状態になります。
そこで、まずは「どこからどこまでが“リューの告白線”なのか」をざっくり俯瞰しておきましょう。
リューの告白まわりのざっくりタイムライン
- 18巻:派閥大戦の中で、リューがベルに事実上の告白
- 19巻:告白が配信されていた事実が発覚し、リューが「まだ返事をもらっていない」と自覚的に口にする
- 20巻:キッチンでベルが返事を伝えようとし、リューが“答えを聞かない”選択をする
このざっくり三段階を頭に入れたうえで、次のセクションからは巻ごとの出来事と心理の動きを丁寧に追っていきます。
18〜20巻の時系列で追う:告白から“答えを聞かない”選択まで
ここからは、18巻・19巻・20巻を事実(何が起きたか)+心理(どう感じたか)+物語的な意味で整理していきます。
18巻:派閥大戦の戦場でこぼれた「好き」の一言
結論から言うと、18巻は「リューの告白が、極限状態の中でこぼれた瞬間」です。
- 何が起きたか(事実)
- フレイヤ・ファミリアとの派閥大戦の中で、ベルとリューは死線を何度も越える。
- 極限の戦闘と感情の高まりの中で、リューはベルへの想いを言葉にしてしまう。
- リューの心理
- 豊穣の女神編までのリューは、過去の復讐と罪の意識に縛られていました。
- ベルとの共闘を通して、「もう一度誰かを信じてもいい」「誰かを好きになってもいい」という心の回復が少しずつ進んでいきます。
- 派閥大戦の極限状態で、「もう二度とこの瞬間は来ないかもしれない」という感覚が強く働き、感情が堰を切るようにあふれた結果としての告白になっています。
- ベルの心理
- ベルはリューに対して深い信頼と尊敬を抱いていて、命のやり取りを通じて特別な絆を感じています。
- しかしベルの「恋愛の軸」は、依然としてアイズ・ヴァレンシュタインに向いています。
- 18巻の時点では、ベルは「命の恩人であり、共に戦った大切な仲間からの告白」という重さを理解しながらも、即答できるほど自分の気持ちを整理しきれていない状態です。
- 物語全体への意味
- 18巻の告白は、単なる恋愛イベントではなく、リューの贖罪と再生の物語がひとつのピークに達した証として描かれています。
- リューが「ベルを好きだ」と認めることは、過去ではなく未来を選ぶ宣言でもあります。
19巻:オラリオ中に知られた告白と、「まだ返事をもらっていない」リュー
19巻では、18巻の告白がコメディとシリアスを混ぜた“後処理編”として扱われます。
- 何が起きたか(事実)
- 18巻でのやり取りが配信されていたことが発覚し、リューの告白はオラリオ中の公共の情報になります。
- 周囲のキャラクターたちが、ベルとリューの関係についてからかったり茶化したりする描写も増えます。
- その流れの中で、リューは「まだ返事をもらっていない」と自覚的に口にします。
- リューの心理
- リューは、自分の告白が街の話題になってしまったことに対して、普段のクールさが崩れるほど動揺しています。
- それでも、「ベルから返事をもらっていない」という事実を真正面から認識している点で、感情から逃げない姿勢が見えてきます。
- ただし、ここではまだ「ベルに答えを迫る」というより、「返事を待つ覚悟を決めた段階」にとどまっています。
- ベルの心理
- ベルは、リューへの感謝や特別な感情をきちんと持っていますが、それが「アイズへの恋」と同じ種類のものかどうかについては、明確には整理できていません。
- さらに、ヘスティア・ファミリア全体との関係や、他のヒロインたちへの配慮もあり、誰か一人に恋愛的な答えを出すことに慎重になっています。
- 物語全体への意味
- 19巻は、「告白」が個人的な秘密から公然の事実へ変わる巻です。
- その結果、ベルとリューのあいだには微妙な空気が生まれつつも、互いに距離を壊さず日常を続けようとする姿が描かれます。
- この巻でのやり取りがあるからこそ、20巻の“返事未遂”シーンの重みが増します。
20巻:キッチンでの“返事未遂”と、リューの静かな決断
20巻は、リューの告白線にとってのクライマックスです。
キッチンでベルが返事を告げようとし、リューがそれを静かに制します。
- 何が起きたか(事実)
- ベルは、これまでの出来事を踏まえて、リューに対して「自分の答え」を伝えようとします。
- しかし、リューはベルの言葉を最後まで聞く前に制止し、答えを聞かない選択をします。
- そのうえでリューは、自分の気持ちと向き合い、「これで良い」と受け入れる方向に進んでいきます。
- リューの心理
- リューは、ベルの本命がアイズであることを十分理解しています。
- 同時に、ベルの優しさが「誰にも傷ついてほしくない」という形で働き、優しさゆえに残酷な“曖昧な返事”になる可能性も理解しています。
- だからこそリューは、ベルに答えさせることでベルを苦しませるよりも、自分の側で失恋を受け止めることを選びます。
- ベルの心理
- ベルは、誠実でありたいと強く願う性格です。
- リューに対する特別な感情を認めつつも、それが「アイズへの恋」と同じ重さではないことにも気づいています。
- だからこそベルは、誠実な答えを伝えたいのに、それが相手を傷つけるかもしれないという板挟みに苦しんでいます。
- 物語全体への意味
- 20巻のキッチンシーンは、リューの恋が「叶うかどうか」のシーンではなく、リューがどういう“終わり方”を選ぶかのシーンです。
- リューは、ベルに自分の恋を否定させるのではなく、自分の中で大切にしまい込むことを選びます。
- その選択があるからこそ、リューとベルはギクシャクせずに、これからも仲間として一緒に歩める余地が残されます。
なぜリューは“答えを聞かない”ことを選んだのか──大人の片想いとしての読み方
ここからは、いよいよ「この告白って、物語的にどういう意味なの?」という本題に入ります。
ベルの立場:本命アイズと、ヘスティア・ファミリアの重さ
ベル・クラネルは、物語のかなり早い段階からアイズ・ヴァレンシュタインに恋をしています。
アイズへの憧れと恋心は、ベルが強くなりたいと願う動機の核の一つです。
同時に、ベルはヘスティア・ファミリアの団長として、多くのヒロインたちから好意を寄せられています。
- ヘスティア
- リリルカ
- アイシャ
- 春姫 など
ベルは、誰か一人を選ぶことで他の誰かを深く傷つけることを本能的に嫌がる性格です。
この性格が、リューへの返事を「ただのYes/Noでは済まないもの」にしてしまいます。
リューの立場:豊穣の女神編から続く“再生”のラストピース
一方のリュー・リオンは、豊穣の女神編で過去の復讐と罪に縛られた状態から、ベルとの共闘を通じて再生し始めたキャラクターです。
- ベルを信じること
- 豊穣の女神という居場所を得ること
- 自分にもまた、未来を選ぶ権利があると認めること
この流れの延長線上に、「ベルを好きになる」という感情があります。
リューにとってベルへの恋は、ただの恋愛感情ではなく、生き直すことの証拠でもあります。
だからこそ、告白は彼女の人生における大きな一歩であり、同時に失恋もまた彼女の成長の一部になります。
| 観点 | ベル・クラネルの立場 | リュー・リオンの立場 |
|---|---|---|
| 恋愛の軸 | アイズが一貫した本命として存在し続けている | ベルが唯一無二の恋愛対象 |
| 責任感 | ヘスティア・ファミリア全体への責任と誠実さを背負っている | 自身の贖罪と再生の物語を背負っている |
| 告白の意味 | 命の恩人からの重大な感情表明であり、軽く扱えない課題 | 過去ではなく未来を選ぶ宣言であり、人生の再スタート |
| 返事を出すプレッシャー | 誰か一人を選べば、他の誰かを深く傷つける可能性がある | 返事を求めれば、ベルを追い詰めてしまう可能性がある |
| キッチンでの選択 | 誠実な答えを伝えたいが、相手を傷つけることが怖い | ベルに苦しい選択をさせるより、自分の側で失恋を引き受けることを選ぶ |
“答えを聞かない”という、優しさと自尊心の両立
リューがキッチンで“答えを聞かない”ことを選んだ瞬間は、冷静に見れば失恋の自覚的な受け入れです。
しかし、ここで重要なのは、その受け入れ方です。
- ベルに「君は私を選ばない」と言わせて、ベルの口を通して自分の恋を終わらせるのではない
- ベルの優しさを責めず、ベルの誠実さを守る形で、自分の側から幕を引く
- それでも、自分がベルを好きだった気持ちをなかったことにはしない
これは、「自分の恋を、誰のせいにもせず、自分のものとして大切にしまっておく」という非常に大人な片想いの終わらせ方です。
【結論】: ダンまち18〜20巻を読み返すときは、リューの選択を「成功する恋」ではなく、「尊厳を守った片想いの終わらせ方」として味わってみてください。
なぜなら、リューの物語は、恋が叶うかどうか以上に、過去に縛られていた自分からどれだけ自由になれたかというテーマを背負っているからです。成功した恋愛だけが尊いわけではなく、うまくいかなかった恋の終わらせ方にも、その人らしさと強さがはっきりと刻まれます。この視点が、あなたの好きなキャラクターたちの選択を、少し違う角度から楽しむきっかけになれば幸いです。
リューの告白についてよくある疑問Q&A【ネタバレあり】
Q1. リューの恋は完全に終わったのか?
A. 現時点の18〜20巻の描写だけを見ると、リューは自分の恋にひとまずの区切りをつけています。
ただし、「気持ちが完全に消えた」というより、「答えを求めることをやめた」というニュアンスが強い終わり方です。
今後の巻で再び感情が動く可能性はゼロではありませんが、20巻時点では「自分の片想いとして大切にしまい込む」段階だと考えてよさそうです。
Q2. これからベルとリューの仲はギクシャクしないのか?
A. リューが“答えを聞かない”ことを選んだのは、まさにギクシャクを最小限にするための選択でもあります。
ベルに明確なNoを言わせず、ベルの優しさや誠実さを守る形で恋を終わらせようとしたので、少なくとも二人のあいだに「決定的な亀裂」は生まれていません。
もちろん、リューの心の中には痛みが残っていますが、それでも日常を壊さずに前に進もうとする姿勢が描かれています。
そのため、今後も「信頼できる仲間」としての関係は続いていくと見てよいでしょう。
Q3. アニメだけ見ていると、この流れはどこまで分かるのか?
A. リューの告白まわりは、原作18〜20巻の内容に強く依存しているエピソードです。
アニメの進行状況や構成によっては、
- 告白のタイミング
- 配信バレの扱い
- キッチンでの“返事未遂”
などが一部簡略化されたり、描写のニュアンスが変わったりする可能性があります。
原作の感情の積み重ねをフルで味わいたい場合は、アニメ視聴と並行して該当巻(18〜20巻)を読むことを強くおすすめします。
Q4. ベルはリューのことを“恋愛対象”として見ていないのか?
A. ベルはリューを、命の恩人であり、共に死線を越えた非常に大切な存在として見ています。
その感情は、ただの仲間以上のものですが、アイズへの恋心と同じラインにあるかというと微妙なところです。
ベルの中では、
- アイズへの一途な憧れ兼恋心
- リューへの深い尊敬と特別な感情
- 他のヒロインたちへの好意と感謝
が複雑に絡み合っています。
そのため、「恋愛対象かどうか」をはっきり区切れる段階に、まだベル自身が到達していないと言っても良さそうです。
まとめ:リューの告白は、「成功しなかった恋」以上のものとして心に残る
ここまでの内容を、あらためてコンパクトに振り返ります。
- 18巻では、派閥大戦の極限状態で、リューがベルに想いをこぼすように告白する
- 19巻では、その告白が配信されていた事実が発覚し、リューは「まだ返事をもらっていない」と自覚的に向き合い始める
- 20巻では、ベルが誠実な答えを伝えようとする直前で、リューが“答えを聞かない”選択をし、失恋を自分の中で受け入れて前に進もうとする
リューの告白は、「叶わなかった恋」の一言では片づけられません。
それは、過去に縛られていたリューが、ベルと出会い、豊穣の女神という居場所を得て、もう一度誰かを好きになり、そして自分の選択として恋に区切りをつける物語の一部です。
ベルの視点から見ると、
- 本命アイズへの想い
- ファミリア全体への責任
- 誰かを選ぶことの怖さ
が絡み合い、簡単には答えが出せない状況にあります。
その中でリューが“答えを聞かない”ことを選んだ結果、二人のあいだには痛みもあるが壊れていない関係が残ります。
読後のすすめ
この記事で流れと意味を整理したうえで、ぜひもう一度ダンまち18〜20巻を読み返してみてください。
特に、20巻のキッチンシーンの空気や、リューの一言一言は、初読のときとは違う色で見えてくるはずです。
「これはただの失恋の場面ではなく、リューが自分の人生を取り戻した結果の選択なんだ」と思いながら読み直すと、胸の痛さと同時に、不思議な温かさも感じられるはずです。