「先日、大きな契約が取れた!上司から『役員の方へお礼状を』と指示されたけど、書き出しは『拝啓』でいいんだろうか…?もっと丁寧な『謹啓』を使うべき…?」
そんな、社会人一年目のあなたへ。
この記事では、元営業部長の私が、「謹啓」と「拝啓」の使い分けが2分でわかる判断チャートと、そのまま使えるお礼状テンプレートをご用意しました。
この記事を読めば、もう迷いません。あなたの感謝と誠意が120%伝わる、自信の一通を一緒に作り上げましょう。
なぜ、多くの新人が「手紙の書き出し」で固まってしまうのか?
役員へのお礼状、何から書けばいいか分からず手が止まってしまいますよね。私も新人時代、PCの前で一時間固まっていた経験があります。
研修で新人の方々からよく「ここまで丁寧にやる必要、ありますか?」と質問を受けます。その気持ち、とてもよく分かります。普段チャットやメールに慣れていると、手紙の作法は少し堅苦しく感じられるかもしれません。
ですが、その迷いや慎重さこそ、あなたが「相手を大切に思っている」何よりの証拠です。ビジネスにおける言葉遣いは、単なるルールではありません。相手への敬意を形にして伝える、最もシンプルで強力なコミュニケーションツールなのです。
この記事では、その大切な気持ちが正しく伝わるための、ほんの少しのコツをお伝えしますね。
結論:「謹啓」と「拝啓」は、相手への敬意レベルで使い分ける
手紙の書き出しで使う「謹啓」や「拝啓」は「頭語(とうご)」と呼ばれ、手紙の最後を締めくくる「謹白」や「敬具」といった「結語(けつご)」と必ずペアで使うのが基本ルールです。この頭語と結語は、ペアで使う関係性にあり、組み合わせを間違えることはできません。
そして本題である「謹啓」と「拝啓」の関係性ですが、これは敬意の度合いが異なる上位・下位の関係にあります。「謹啓」は「拝啓」よりも敬意の度合いが高い、最も丁寧な頭語です。
どちらを使うべきか迷ったときは、以下の判断チャートを使ってみてください。

このチャートが示す通り、木村さんのように「取引先の役員」へ「重要契約のお礼」を伝える場面では、「謹啓」を選ぶのが最も適切です。
【コピペOK】役員宛お礼状の鉄板テンプレートと3つの注意点
それでは、ペルソナである木村さんの状況に完全に合致した、すぐに使えるお礼状のテンプレートをご紹介します。以下の文例の【】の部分を、ご自身の状況に合わせて書き換えてご使用ください。
📝 *役員向けお礼状テンプレート*
謹啓【時候の挨拶の例:秋涼の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。】平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。さて、この度は【〇〇】の契約をご締結いただき、誠にありがとうございました。これもひとえに、【〇〇様(役職名)】をはじめ皆様のご尽力の賜物と、心より感謝しております。ご期待に沿えるよう、社員一同、誠心誠意努力してまいる所存でございますので、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒お願い申し上げます。末筆ではございますが、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。謹白令和〇年〇月〇日株式会社〇〇営業部 木村 拓也【相手の会社名】【相手の役職名】 【相手の氏名】様このテンプレートを活用する上で、新人が陥りがちな3つの失敗パターンと、その回避策を解説します。
1. 頭語と結語のペアを間違える
- NG例: 「謹啓」で始めたのに、文末を「敬具」で結んでしまう。
- OK例: 「謹啓」で始めたら、必ず「謹白」または「敬白」で結ぶ。
2. 時候の挨拶を省略してしまう
- NG例: 「謹啓」のあと、すぐに「さて、この度は〜」と本題に入ってしまう。
- OK例: 季節感のある挨拶を一言入れることで、文章に奥行きと丁寧さが生まれます。
3. 内容と敬意レベルが合っていない
- NG例: 簡単な資料送付の案内に「謹啓」を使う。
- OK例: 内容の重要度に合わせて言葉を選ぶ。日常的なビジネス文書では「拝啓」が基本です。
【結論】: 迷ったら、より丁寧な方を選んでおけば間違いありません。
なぜなら、「丁寧すぎて失礼になる」ことはビジネスシーンではまずあり得ないからです。逆に、敬意が足りない場合は相手に不快感を与え、信頼を損なうリスクがあります。特に相手が目上の方の場合は、最大限の敬意を払う選択が最も安全で、あなたの誠実さを示すことに繋がります。
「謹啓」に関する、よくある質問(FAQ)
最後に、研修でよくいただく補足的な質問にお答えします。
Q1: 「謹啓」は、女性が使っても問題ありませんか?
A1: はい、全く問題ありません。「謹啓」は性別に関係なく、相手への高い敬意を示す際に使用できる言葉です。
Q2: メールで「謹啓」は使いますか?
A2: いいえ、通常は使いません。メールは手紙よりも簡略なコミュニケーション手段とされているため、「拝啓」と同様に「謹啓」も使用せず、「いつもお世話になっております。」から書き始めるのが一般的です。
Q3: 結語は「謹白」と「敬白」どちらが良いですか?
A3: どちらも「謹んで申し上げる」という意味で、優劣はありません。どちらを使用していただいても結構です。「謹啓」とセットで使うことだけ覚えておきましょう。
まとめ:自信を持って、あなたの誠意を伝えよう
要点を再確認しましょう。
「謹啓」は、「拝啓」よりも格上の、敬意の最高表現です。役員など格上の相手への改まった手紙に最適で、必ず「謹白」または「敬白」とセットで使いましょう。
もう大丈夫。あなたはこの記事で、正しい知識と、すぐに使える武器(テンプレート)を手に入れました。
大切なのは、完璧な文章を書くことではなく、あなたの感謝の気持ちを誠実に伝えることです。自信を持って、その一通を書き上げてください。その心のこもった一通が、未来の大きな信頼に繋がるはずです。応援しています。
さあ、テンプレートを参考に、お礼状を書き始めてみましょう。
[参考文献リスト]