夏になると、「ママ、バッタ捕まえた!」という声が増えてきますよね。トノサマバッタは、子どもにとってとても身近で、しかも自由研究の題材としても優秀な昆虫です。
ただ、お母さんの立場から見ると、こんな不安が次々に浮かびませんか。
- 「トノサマバッタのことを自分がよく知らない」
- 「自由研究のノートをどういう順番で書かせればいいかわからない」
- 「図鑑を書き写しただけになってしまいそう」
この記事では、そんな不安をすべて前提にしています。
- トノサマバッタの基礎知識
- 親子でできるかんたんな観察・実験アイデア
- ノートにそのまま使える「5章テンプレ」
この3つをセットでお渡しします。
この記事どおりに進めていただければ、理科が苦手なお母さんでも「これならうちの子の自由研究になる」と自信を持って言える状態まで、一緒にたどりつけます。
トノサマバッタってどんな虫?親子で押さえたい基本
最初のゴールは、「トノサマバッタについて、親子で同じイメージを持てること」です。
ここで紹介する内容は、自由研究ノートの「② トノサマバッタについてしらべたこと」に、そのまま使える情報です。
トノサマバッタのプロフィールカード
まずは、子どもにもわかりやすい「プロフィールカード」にまとめます。
| 項目 | 内容の例 |
|---|---|
| 名前 | トノサマバッタ |
| 仲間 | バッタのなかま(昆虫綱バッタ目) |
| 大きさ | からだの長さは約5〜6センチ |
| 色 | 緑色のものと、茶色〜黒っぽいものがいる |
| すんでいる場所 | 河川敷、草原、田んぼのあぜ道など、草がたくさんある場所 |
| 食べ物 | イネ科の草(ススキ、メヒシバなど)が好きなエサ |
お子さんには、まずこのプロフィールを声に出して読んでもらい、「自分で書きたい言葉」に言い換えさせると理解が深まります。
ママのサポート例
「“すんでいる場所”のところ、うちの近くならどこが当てはまりそうかな?」
「“好きなエサ”って書いてあるけど、どんな草か想像できる?」
卵→幼虫→成虫|トノサマバッタの一生
トノサマバッタの一生は、卵・幼虫・成虫という3つのステージで説明できます。
- 卵
- 秋ごろ、メスが土の中に卵を産む。
- 卵は冬のあいだ土の中で過ごす。
- 幼虫(なきむし・子ども)
- 春〜初夏にかけて卵からかえる。
- 羽が短くて、まだ飛ぶことがあまり得意ではない。
- 成虫(おとな)
- 夏〜秋にかけて、だんだん大きくなり、羽も長くなる。
- 後ろ足で大きくジャンプし、羽を使って上手に飛べるようになる。
ノートの書き方例
「トノサマバッタは、卵・幼虫・成虫という三つの時期がある。
春に卵からかえり、夏から秋にかけて大人のバッタとしてくらす。」
緑のトノサマバッタと黒っぽいトノサマバッタ
トノサマバッタには、明るい緑色の個体と、茶色〜黒っぽい個体がいます。
- 草地で1匹ずつ育ったトノサマバッタは、緑っぽいことが多い。
- たくさんのトノサマバッタが密集して育つと、体が黒っぽくなり、体つきも少しほっそりすることがある。
これは、「育つ環境の違いで姿が変わる」という、とてもおもしろい性質です。
自由研究でここまで深掘りしなくても構いませんが、色の違いに気づいたお子さんには、コラムとして教えてあげると良い刺激になります。
ノートのコラム例
「トノサマバッタには、緑色のバッタと、黒っぽいバッタがいた。
調べると、たくさんのバッタがあつまって育つと、体の色や形が少し変わることがあるとわかった。」
【結論】: 自由研究のテーマにしない情報でも、子どもが「おもしろい」と感じたことは、ノートのすみやコラム欄に書き残しておくと良いです。
なぜなら、子どもが「自分で気づいたこと」を記録しておくことで、後から読み返したときに自信につながるからです。先生も、「図鑑の知識だけでなく、自分の発見が書かれている」と評価しやすくなります。この知見が、親子の観察時間をもっと豊かなものにする助けになれば幸いです。
このページだけで完成する!トノサマバッタ自由研究5章テンプレ
ここからは、自由研究ノートの「骨組み」をいっきに作ります。
次の5つの見出しを、ノートの最初にそのまま書き写してしまって大丈夫です。
- ① どうしてトノサマバッタの研究をしようと思ったか
- ② トノサマバッタについてしらべたこと
- ③ 観察・実験のやり方
- ④ 観察・実験の結果
- ⑤ わかったこと・これからやってみたいこと
① どうしてトノサマバッタの研究をしようと思ったか
ここは、子ども自身の気持ちを書く場所です。
理由は小さくてもかまいません。「あ、この子の研究なんだな」と伝わることが大切です。
- 子どもが書く内容のヒント
- 「公園で大きいバッタをつかまえて、もっとしりたくなったから。」
- 「さいしょににがしてしまったので、またつかまえたときにちゃんとしらべたいと思ったから。」
- ママの声かけ例
「いつ、どこで、どんな気持ちになったのかを思い出してみようか。」
② トノサマバッタについてしらべたこと
先ほどのプロフィールカードと一生の説明を、子どもの言葉でまとめるパートです。
- 子どもが書く内容のヒント
- 「トノサマバッタはバッタのなかまで、体の長さは○センチくらいだった。」
- 「河川敷や田んぼのあぜ道など、草がたくさんあるところに住んでいる。」
- 「卵・幼虫・成虫という三つの時期がある。」
- ママの声かけ例
「どんなところに住んでいるか、どんな体のつくりか、好きなエサは何か。この三つだけは書いておこうか。」
③ 観察・実験のやり方
観察や実験のテーマを1〜3個えらび、「どんなふうにやったか」を書く場所です。
- 子どもが書く内容のヒント
- 「体のつくりをスケッチして、気門や後ろ足をよく見る。」
- 「草の種類を三つ用意して、どの草を一番たくさん食べるかしらべる。」
- 「すずしい場所とあたたかい場所で、1分間にどれくらい動くかをくらべる。」
- ママの声かけ例
「テーマごとに、『なにを』『どこで』『どのくらいの時間』やったかを書いておこう。」
④ 観察・実験の結果
観察した様子や、実験の結果を、スケッチや表・グラフでまとめるパートです。
- 子どもが書く内容のヒント
- トノサマバッタの全体図と、気門や後ろ足に丸をつけたスケッチ。
- 草ごとに「たべた量」を☆の数や○×であらわした表。
- 気温ごとの動きの回数を棒グラフにした図。
- ママの声かけ例
「ことばで全部書こうとしなくて大丈夫。絵や表でわかるようにするだけでも、立派な結果だよ。」
⑤ わかったこと・これからやってみたいこと
最後に、「トノサマバッタについて気づいたこと」「もっとやってみたくなったこと」をまとめます。
- 子どもが書く内容のヒント
- 「トノサマバッタは、ふだん見ているバッタよりも足が太くて強そうだとわかった。」
- 「イネ科の草をよく食べることがわかった。今度は他のバッタでもためしてみたい。」
- 「気温が高いとよく動いて、すずしいとあまり動かないみたいだとわかった。」
- ママの声かけ例
「いちばんびっくりしたことは何だった? それを書いておこうか。」
親子でできる観察・実験アイデア3選とやり方
ここからは、自由研究で使いやすい観察・実験テーマを3つ紹介します。
すべて「ねらい → 準備 → 手順 → 記録 → よくある失敗とコツ」という順に整理しているので、好きなテーマを1つ選ぶだけでも十分です。
テーマ1:体のつくりをしらべよう(気門・後ろ足・翅)
ねらい
- トノサマバッタの体をじっくり観察して、「どんな体のしかけで生活しているのか」を知る。
- 特に、「気門(きもん)」「後ろ足」「翅(はね)」に注目する。
準備
- トノサマバッタ(1〜2匹)
- 透明な虫かご
- 濃いめのえんぴつ(2Bなど)
- スケッチ用の白い紙または自由研究ノート
手順
- トノサマバッタを虫かごに入れて、しばらく落ち着かせる。
- 虫かごごしに、全体の形を見ながらスケッチする。
- 体の横にある小さな穴(気門)や、太くて長い後ろ足、羽の形などに注目して、拡大したスケッチも描く。
- スケッチの横に、「どの部分がどんな働きをしていそうか」を一言ずつ書き加える。
記録のしかた(ノート例)
- 全身のスケッチに、「頭」「胸」「腹」など区切りの線を書きこむ。
- 体の横に小さな丸を描き、「ここに気門がならんでいる。」とコメントを書く。
- 後ろ足のスケッチを別に描き、「とても太くて長い。ジャンプするのに使っていそう。」とメモする。
よくある失敗とコツ
- 失敗: 急いでスケッチしようとして、ただの“バッタの絵”になる。
- コツ: 「今日は体のどこの部分をくわしく描くか」を1〜2箇所にしぼると、観察が深くなる。
【結論】: 観察の時間は10〜15分程度でも十分です。長時間じっと見せようとせず、「今日はここだけ」を決めて集中させると、子どもの満足度が高くなります。
なぜなら、低学年の子どもは集中できる時間がかぎられており、短時間で「できた!」という感覚を持たせることが、次の観察への意欲につながるからです。ていねいに観察した1枚のスケッチは、雑になぐり書きした5枚よりも価値があります。この考え方が、親子の自由研究をラクで楽しいものにしてくれます。
テーマ2:どんなエサが好き?草の種類をくらべてみよう
ねらい
- トノサマバッタが、どの草をよく食べるかをくらべる。
- 「イネ科の草が好き」という特徴を、親子で体感する。
準備
- トノサマバッタ(1〜2匹)
- 虫かご
- 草を数種類(例:ススキ、メヒシバ、シロツメクサなど)
- 小さな紙とえんぴつ
手順
- 安全な場所で、草を3種類くらい集める。
- 草の種類ごとに長さをそろえて、虫かごの中に同じ本数ずつ入れる。
- 半日〜1日ほどおいてから、どの草がどのくらい食べられているかを観察する。
- 「一番食べられていた草」「あまり食べられていない草」をメモにまとめる。
記録のしかた(比較表)
| 草の名前 | 入れた量のめやす | 食べられたようす | メモ |
|---|---|---|---|
| ススキ | 中くらい | ⭐⭐⭐(たくさん食べていた) | 一番細くてやわらかそうだった |
| メヒシバ | 中くらい | ⭐⭐(ふつう) | ときどき食べていた |
| シロツメクサ | 中くらい | ⭐(あまり食べていない) | 少ししか減っていなかった |
※⭐の数は、お子さんと一緒に「どれくらい減っているね」と話し合いながら決めると良いです。
よくある失敗とコツ
- 失敗: 草の種類をたくさん入れすぎて、どれがどれかわからなくなる。
- コツ: 最初は3種類までにしぼり、草ごとに小さな紙で名前ラベルをつけておく。
テーマ3:気温が違うと動き方は変わる?
ねらい
- トノサマバッタの動き方が、気温によって変わるかどうかをくらべる。
- 気温と生き物の活動の関係を体感する。
準備
- トノサマバッタ(1〜2匹)
- 虫かご
- 室内の「すずしい場所」と「少しあたたかい場所」
- 1分をはかれる時計
- 記録用の紙とえんぴつ
手順
- 虫かごを、室内のすずしい場所にしばらく置く。
- 1分間で、トノサマバッタが「ジャンプした回数」または「大きく動いた回数」をかぞえる。
- 次に、少しあたたかい場所に虫かごを移し、また1分間の動きをかぞえる。
- それぞれの回数を表にまとめて、棒グラフにしてくらべる。
記録のしかた(表+グラフ)
| 場所 | 気温のめやす | 1分間にうごいた回数 |
|---|---|---|
| すずしい場所(北側の部屋) | ○度くらい | 5回 |
| あたたかい場所(南側の窓ぎわ) | ○度くらい | 12回 |
よくある失敗とコツ
- 失敗: 気温の差がほとんどない場所でくらべてしまい、あまり違いが出ない。
- コツ: できれば「日かげの部屋」と「日の当たる窓ぎわ」など、はっきりと温度が違いそうな場所を選ぶ。
準備とマナーQ&A|安全に・気持ちよく観察するために
最後に、自由研究に取り組むお母さんからよく聞く疑問にQ&A形式で答えます。
安全面とマナーが押さえられていれば、先生からの印象も良くなります。
Q1. トノサマバッタはどこで捕まえるのが安全?
A. 河川敷や広い公園の草地など、車が通らない場所が安全です。田んぼのあぜ道で捕まえるときは、必ず大人と一緒に行き、農家の方の迷惑にならない場所だけで捕まえるようにしましょう。
Q2. どんな虫かご・道具があれば十分?
A. 最低限、次の3つがあれば十分です。
- 透明な虫かご
- 虫取り網(周囲に人がいない場所で使用)
- バッタのエサとなる草(その場所で少しだけいただく)
特別な道具がなくても、観察テーマ1つとスケッチだけで、立派な自由研究になります。
Q3. 何日くらい飼ってから自然に返したらよい?
A. 1〜2日観察したら、基本的には元の場所にもどしてあげるのが安心です。「観察させてくれてありがとう」という気持ちで、なるべく同じ場所・同じ時間帯に返してあげると良いですね。
Q4. テーマが“かんたんすぎる”と評価が下がりますか?
A. テーマの“むずかしさ”よりも、子どもが「自分で見て、考えて、まとめたかどうか」が大事です。体のスケッチ1つでも、よく見ていれば先生には伝わります。
Q5. 兄弟・姉妹で同じテーマでもいい?
A. 同じテーマでもかまいません。そのかわり、「それぞれが気になったこと」や「それぞれのスケッチ」を大切にしてください。兄はエサの実験、妹は体のスケッチなど、分担しても楽しいですね。
サイドボックス:親子で確認したい3つのマナー
- 私有地(畑・田んぼ・庭)では、勝手に入らない。
- 捕まえた生き物は、ムリにさわりすぎない。
- 観察が終わったら、できるだけ同じ場所に返す。
まとめ|まずはノートに「5つの見出し」だけ書いてみよう
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。トノサマバッタの自由研究は、次の3つがそろえば、もう十分「研究」と呼べる内容になります。
- トノサマバッタの基本情報(プロフィールカード+一生の図)
- 親子で選んだ観察・実験テーマ(1〜3個でOK)
- ノート全体を整理する5章テンプレ
「完璧な研究」にしようとすると、どうしてもお母さんの負担が大きくなってしまいます。
大切なのは、お子さんの「なぜ?」「おもしろい!」をノートに残してあげることです。
今日のゴールは、とてもシンプルです。
まずは、お子さんと一緒にノートを開き、「5つの見出し」だけ書きこんでみてください。
文章が思いつかなければ、この記事の例文を声に出して読みながら、一行ずつまねしていきましょう。
それだけで、自由研究の8割はもう完成しています。残りの2割は、トノサマバッタと過ごす、短いけれど濃い観察の時間が埋めてくれます。