「トノサマバッタを捕まえたけど、これで自由研究できる?」
「観察したあと、ノートに何を書けばいい?」
「図鑑を書き写しただけの自由研究にはしたくない」
そんなときは、難しい実験をする必要はありません。
トノサマバッタの自由研究は、「予想する→観察する→記録する→結果から考える」の4つができれば、十分に研究らしい内容になります。
おすすめのテーマは次の3つです。
- 低学年向け:体のつくりをスケッチする
- 中学年向け:どの草をよく食べるか比べる
- 高学年向け:時間帯によって行動が変わるか観察する
この記事では、トノサマバッタの基本情報から、実際の観察方法、記録表、最後のまとめ方まで順番に紹介します。
そのまま書き写すのではなく、実際に自分が観察した結果へ置き換えながら使ってください。
- 1 トノサマバッタ自由研究は何をすればいい?まず3パターンから選ぼう
- 2 トノサマバッタってどんな虫?自由研究に使える基本情報
- 3 トノサマバッタの一生|さなぎにはならない
- 4 緑と茶色のトノサマバッタがいるのはなぜ?
- 5 自由研究のまとめ方|6つの見出しを書けば完成する
- 6 テーマ1|トノサマバッタの体のつくりを観察する【低学年向け】
- 7 テーマ2|トノサマバッタはどの草をよく食べる?【おすすめ】
- 8 テーマ3|時間帯で行動は変わる?【高学年向け】
- 9 完成例|「好きな草」を調べた自由研究ならこうまとめる
- 10 自由研究を見やすくする写真・絵・グラフの使い方
- 11 トノサマバッタを観察するときの飼い方と注意点
- 12 トノサマバッタの自由研究でよくある質問
- 13 まとめ|「予想→観察→結果→考察」があれば立派な自由研究になる
- 14 参考情報
トノサマバッタ自由研究は何をすればいい?まず3パターンから選ぼう
まず「何を研究するか」を決めます。
| テーマ | 難易度 | 目安 | おすすめ学年 |
|---|---|---|---|
| 体のつくりを観察 | ★☆☆ | 1日 | 1~2年生 |
| 食べる草を比較 | ★★☆ | 2~3日 | 3~4年生 |
| 時間帯ごとの行動を比較 | ★★★ | 2~3日 | 4~6年生 |
迷ったら「どの草を一番よく食べる?」がおすすめです。
「予想」と「結果」を比較しやすく、写真・表も作りやすいため、自由研究としてまとめやすいからです。
トノサマバッタってどんな虫?自由研究に使える基本情報
実験の前に、トノサマバッタについて最低限調べておきましょう。
ただし、ここを長くしすぎる必要はありません。
自由研究の主役は図鑑の知識ではなく、自分で観察した結果です。
トノサマバッタのプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | トノサマバッタ |
| 学名 | Locusta migratoria |
| 分類 | バッタ目バッタ科 |
| オスの体長 | 約35~40mm |
| メスの体長 | 約45~65mm |
| 見られる場所 | 河原・草原・空き地などの開けた草地 |
| 食べ物 | 主にイネ科・カヤツリグサ科の植物 |
| 成虫が見られる時期 | おもに夏~秋 |
トノサマバッタはオスとメスで大きさがかなり違います。
そのため捕まえた個体の体長を測って、
「オスかな?メスかな?」
と予想するだけでも観察ポイントになります。
食べるのはメヒシバやエノコログサなど
トノサマバッタは草食性です。
主に、
- メヒシバ
- エノコログサ
- ススキ
- そのほかのイネ科植物
などを食べます。
自由研究でエサを比較する場合も、まず名前の分かる安全な草を使いましょう。
道路沿いや農薬が散布された可能性のある場所の草は避けます。
トノサマバッタの一生|さなぎにはならない
トノサマバッタは、
卵 → 幼虫 → 成虫
という順番で育ちます。
チョウやカブトムシのような「さなぎ」の時期はありません。
このような育ち方を不完全変態といいます。
① 卵
メスは土の中に卵を産みます。
多くの地域では卵の状態で冬を越します。
② 幼虫
暖かくなると卵から幼虫がふ化します。
幼虫は成虫と似た姿をしていますが、
翅がない、またはまだ短い
のが大きな違いです。
何度か脱皮しながら成長します。
③ 成虫
最後の脱皮を終えると、長い翅を持った成虫になります。
成虫になると、
- 大きくジャンプする
- 翅を使って飛ぶ
- 交尾する
- メスが土の中へ産卵する
ようになります。
自由研究では、
「幼虫と成虫は何が違う?」
を写真やスケッチで比較しても面白いテーマになります。
緑と茶色のトノサマバッタがいるのはなぜ?
トノサマバッタには、
- 緑色
- 褐色
など、体色の異なる個体がいます。
ここで注意したいのが、
「緑=1匹で育った」「茶色=たくさん集まって育った」
と単純には分けられないことです。
通常見られるトノサマバッタにも、緑色型や褐色型があります。
一方、非常に高い密度で育つと、
「相変異(そうへんい)」
と呼ばれる変化が起こることがあります。
たくさん集まって育つと「群生相」になることがある
トノサマバッタには、
- 孤独相:低密度で生活する状態
- 群生相:高密度で育ったときに現れる状態
があります。
群生相では、
- 体が黒っぽくなる
- 翅が長くなる
- 後ろ脚など体形にも変化が出る
- 群れようとする行動が強くなる
などの違いが現れます。
同じ種類なのに、育つ環境によって姿や行動まで変わる。
これはトノサマバッタの非常に面白い特徴です。
ただし、日本の野外で群生相を見る機会は多くありません。
自由研究では、
「捕まえたトノサマバッタは何色だった?」
という観察記録にとどめても十分です。
自由研究のまとめ方|6つの見出しを書けば完成する
ノートや模造紙には、次の6つを順番に書きます。
- 研究のきっかけ
- 予想
- 調べたこと
- 観察・実験の方法
- 結果
- わかったこと・考察
この順番にすると、
「調べただけ」ではなく「自分で確かめた研究」
にしやすくなります。

① 研究のきっかけ
「なぜトノサマバッタを調べようと思ったのか」を書きます。
例えば、
公園で大きなトノサマバッタをつかまえました。どんな草を食べるのか気になったので調べることにしました。
程度で十分です。
自分で感じた疑問を書くことが大切です。
② 予想
実験する前に、
「たぶんこうなると思う」
と予想します。
例えば、
トノサマバッタは草原にいたので、細長い草を一番たくさん食べると思いました。
などです。
予想が外れても問題ありません。
むしろ、
予想と違う結果が出た理由を考える
ことが自由研究のおもしろいところです。
③ 調べたこと
図鑑や信頼できるサイトを使って、
- 大きさ
- 食べ物
- 住んでいる場所
- 一生
などを簡単に書きます。
ここはノート全体の2~3割程度で十分です。
④ 観察・実験の方法
誰が読んでも同じ実験ができるように、
- 何を用意したか
- 何匹使ったか
- 何時に調べたか
- どのくらい観察したか
- 何回調べたか
を書きます。
⑤ 結果
ここでは、
「見たまま」「測ったまま」
を書きます。
例えば、
エノコログサは5cmくらい食べられていました。メヒシバは3cm、ススキはほとんど変わりませんでした。
という形です。
写真・表・棒グラフを使うと、かなり見やすくなります。
⑥ わかったこと・考察
最後に、
「結果から何が言えそうか」
を自分の言葉で書きます。
例えば、
予想ではメヒシバを一番食べると思っていましたが、今回の観察ではエノコログサが一番減りました。ただし1匹だけの結果なので、別のトノサマバッタでも同じになるか調べてみたいです。
と書けば、とても研究らしくなります。
「今回の結果だけでは分からないこと」を書けると、自由研究の完成度がさらに上がります。
テーマ1|トノサマバッタの体のつくりを観察する【低学年向け】
もっとも簡単なのが、体の観察です。
1日でもできます。
研究テーマ
「トノサマバッタの体にはどんな特徴がある?」
用意するもの
- トノサマバッタ
- 透明な虫かご
- 定規
- 白い紙
- 鉛筆
- 虫眼鏡があれば便利
観察するポイント
全部を細かく見る必要はありません。
次の5つを見るだけでも十分です。
- 頭・胸・腹の3つに分かれているか
- 脚は何本あるか
- 後ろ脚だけ太く長くなっているか
- 翅はどんな形をしているか
- 体の横に気門が見えるか
さらに、
体長と後ろ脚の長さ
を定規で測って比べても面白いでしょう。
ノートのまとめ方
中央に大きくトノサマバッタを描き、
- 頭
- 胸
- 腹
- 前脚
- 中脚
- 後ろ脚
- 翅
- 気門
へ線を引いて名前を書きます。
その横に、
後ろ脚は前脚よりずっと太くて長かった。大きくジャンプするためだと思った。
のように、自分で気づいたことを書きましょう。
上手な絵を描くことより、「実際によく見た部分」が分かるスケッチにすることの方が重要です。
テーマ2|トノサマバッタはどの草をよく食べる?【おすすめ】
自由研究として最もまとめやすいテーマです。
研究テーマ
「トノサマバッタは、どの草を一番よく食べる?」
まず予想する
例えば、
捕まえた場所にメヒシバがたくさん生えていたので、メヒシバを一番食べると思う。
と予想します。
用意するもの
- トノサマバッタ1匹
- 虫かご
- 名前の分かる草3種類
- 定規
- 記録用紙
- スマートフォンやカメラ
草は例えば、
- メヒシバ
- エノコログサ
- ススキ
など。
農薬が付いている可能性のある草や、名前の分からない植物は避けましょう。
実験方法
- 3種類の草を同じくらいの長さにそろえる。
- 実験前に写真を撮る。
- 3種類を虫かごへ入れる。
- 数時間~半日程度観察する。
- どの草に食べた跡があるか確認する。
- 実験後にも写真を撮る。
- 可能なら別の日にも同じ実験をする。
一度だけで結論を出すより、
2~3回繰り返す
と自由研究としてかなり良くなります。
記録表
| 草 | 1回目 | 2回目 | 3回目 |
|---|---|---|---|
| メヒシバ | ○ | ◎ | ○ |
| エノコログサ | ◎ | ◎ | ◎ |
| ススキ | △ | ○ | △ |
※◎○△は例です。実際に観察した結果を記入してください。
ここまで書けば「考察」になる
結果が出たら、
- なぜこの草を多く食べたのか
- 葉の柔らかさは違ったか
- 捕まえた場所に多かった草か
- もう1匹でも同じ結果になるか
を考えます。
単に、
「エノコログサが好きでした」
で終わらず、
「今回使った1匹ではエノコログサを最もよく食べた」
と書くと、科学的に丁寧です。
テーマ3|時間帯で行動は変わる?【高学年向け】
少し本格的な自由研究にしたいなら、
トノサマバッタの1日の行動
を観察してみましょう。
温度を人工的に変える必要はありません。
同じ場所で、
- 朝
- 昼
- 夕方
の行動を比較します。
研究テーマ
「トノサマバッタは何時ごろ一番よく動く?」
予想
例えば、
昼は暑いので、朝の方がよく動くと思う。
など、自分なりの予想を書きます。
実験方法
同じ虫かごを同じ場所に置き、
- 8時
- 13時
- 17時
など、時間を決めて5分間ずつ観察します。
その間、
- 移動した
- ジャンプした
- 草を食べた
- じっとしていた
回数を記録します。
記録表
| 時刻 | 気温 | 動いた回数 | 食べた回数 | ようす |
|---|---|---|---|---|
| 8時 | ○℃ | ○回 | ○回 | 記録する |
| 13時 | ○℃ | ○回 | ○回 | 記録する |
| 17時 | ○℃ | ○回 | ○回 | 記録する |
これを2~3日続けるとデータが増えます。
「気温が原因」と断定しないのがポイント
昼に動きが多かったとしても、
気温だけが原因とは限りません。
光、時間帯、エサを食べたタイミングなども関係する可能性があります。
そのため、
気温が高い時間ほど動く回数が増えた。ただし、時間帯や明るさも違うので、気温だけが原因とは言い切れない。
と書ければ、かなり質の高い考察になります。
完成例|「好きな草」を調べた自由研究ならこうまとめる
実際の構成を一つ見てみましょう。
タイトル
トノサマバッタはどの草が好き?
1. 研究のきっかけ
公園でトノサマバッタをつかまえたとき、草を食べていました。どの草でも同じように食べるのか気になって調べました。
2. 予想
捕まえた場所にメヒシバがたくさんあったので、メヒシバを一番食べると思いました。
3. 調べたこと
トノサマバッタはイネ科やカヤツリグサ科などの植物を食べることが分かりました。
4. 方法
メヒシバ、エノコログサ、ススキを同じくらいの長さにして虫かごへ入れました。3日間、毎日同じ時間に食べたようすを調べました。
5. 結果
ここに、
- 比較表
- 実験前後の写真
- 棒グラフ
を配置します。
6. わかったこと・考察
予想とは違って、今回のトノサマバッタはエノコログサを一番多く食べました。ただ、1匹だけで調べたので、ほかのトノサマバッタでも同じ結果になるかは分かりません。次は何匹かで比べてみたいです。
この最後の、
「次に何を調べたいか」
まで書ければきれいに終わります。
自由研究を見やすくする写真・絵・グラフの使い方
文章だけで埋める必要はありません。
むしろ自由研究では、
写真・スケッチ・表・グラフ
を組み合わせた方が観察結果を伝えやすくなります。
写真に向いているもの
- 捕まえた場所
- トノサマバッタ全体
- 実験前の草
- 実験後の草
- 飼育・観察している様子
スケッチに向いているもの
- 後ろ脚
- 翅
- 頭・胸・腹
- 気門
グラフに向いているもの
- 草ごとの食べた量
- 時間帯ごとの活動回数
- 複数回実験した結果
低学年なら○△×でも十分です。
高学年なら回数や長さを数字で測り、棒グラフにすると研究らしくなります。
トノサマバッタを観察するときの飼い方と注意点
自由研究では、研究内容だけでなく生き物への配慮も大切です。
虫かごは高さがあるものを使う
トノサマバッタは後ろ脚が長く、ジャンプや脱皮にも空間が必要です。
できるだけ高さのある虫かごを使いましょう。
新鮮なイネ科の草を入れる
捕まえた場所に生えていた、名前の確認できるイネ科植物などを与えます。
長く観察する場合は、枯れた草を新鮮なものへ交換します。
直射日光の当たる場所に虫かごを置かない
夏の窓際や車内などに虫かごを置くのは避けてください。
小さなケースは短時間でも内部の温度が上がることがあります。
「気温によって動きが変わるか」を調べるために、無理に暑い場所・冷たい場所へ移動させる必要もありません。
自然な気温の変化を記録する方が安全です。
観察後は捕まえた場所へ返す
短期間の観察であれば、研究が終わったら捕まえた場所へ戻すのが基本です。
また、
- 立入禁止区域へ入らない
- 私有地へ勝手に入らない
- 公園などの採集ルールを確認する
- 必要以上に何匹も捕まえない
ことも守りましょう。
トノサマバッタの自由研究でよくある質問
1日だけでも自由研究できますか?
できます。
1日なら、
「トノサマバッタの体のつくりを観察する」
がおすすめです。
体長を測り、全身と後ろ脚をスケッチし、図鑑で調べた内容と比べれば1日でもまとめられます。
低学年なら何を調べるのがおすすめ?
体のスケッチがおすすめです。
「脚は何本?」
「一番長い脚はどれ?」
「翅は何枚?」
など、実物を見て分かる疑問から始めると取り組みやすくなります。
高学年ならどうすれば研究らしくなる?
同じ観察を何度か繰り返して数字を取るのがおすすめです。
例えば草の好みを3日間調べたり、朝・昼・夕方の活動回数を3日間記録したりします。
データが増えるとグラフも作れます。
緑色と茶色の違いを自由研究にできますか?
できます。
ただし、1~2匹だけを飼育して色を人工的に変えようとする実験はおすすめしません。
捕まえた場所、周囲の草の色、個体の体色を記録し、
「どんな場所に何色のトノサマバッタがいたか」
を野外観察として調べる方が安全です。
トノサマバッタは何を食べますか?
主にイネ科やカヤツリグサ科の植物を食べます。
メヒシバやエノコログサなどは観察用の食草として使いやすい植物です。
トノサマバッタはどこにいますか?
河川敷、草原、空き地など、開けた明るい草地で見つけやすい昆虫です。
夏から秋に成虫を観察しやすくなります。
まとめ|「予想→観察→結果→考察」があれば立派な自由研究になる
トノサマバッタの自由研究は、難しい実験をする必要はありません。
おすすめは、
- 低学年:体のつくりを観察・スケッチ
- 中学年:食べる草を比較
- 高学年:時間帯ごとの行動を数日間記録
です。
ノートは、
- 研究のきっかけ
- 予想
- 調べたこと
- 方法
- 結果
- わかったこと・考察
の順番でまとめれば完成します。
一番大切なのは、「図鑑にはこう書いてあった」で終わらず、「自分で見たらこうだった」を一つ入れることです。
そして、予想が外れても失敗ではありません。
「なぜ予想と違ったのだろう?」
と考えた瞬間から、それが自由研究になります。
まずは、
「トノサマバッタの何が一番気になった?」
と考えてみてください。
その小さな疑問を一つ選ぶだけで、自由研究のテーマはほぼ完成です。